次の畳屋さんも「お客さん」。表替えで古い糸を残さない理由

畳マン六代目
畳マン六代目

こんにちは、畳マン六代目です。表替えは、古い畳表を外して新しい表を張る仕事。その間に、普段は見えない糸の処理と畳床の手入れがあります。今回は、畳をほどいたときに残っていた糸から、私が大切にしている下仕事をお話しします。

古い縫い糸を外すのは、次の表をきちんと張るため

畳表と畳縁を縫い付けていた糸は、表替えのときに切って抜きます。ただし、畳床そのものをまとめている糸まで切るわけではありません。どの糸を外し、どの糸を残すかを見分ける仕事です。

畳床の裏側に残った縫い糸

以前の表替えで残った糸に、新しい糸を縫い締めてしまうと、余分な力がかかって畳の形が崩れることがあります。何回分も重なっていれば、その糸を外すところから作業が始まります。畳表を張る前のひと手間を省かない理由です。

表を外した畳床に、どんな手入れが必要かを見る

古い糸を処理するとともに、畳床の強さ、縫い糸、傷み、湿り、寸法を確かめます。使える畳床は、必要な補修や凹みの調整をして生かします。年数や隙間の大きさだけで、土台ごと新しくするとは決めません。

その上で新しい畳表を張り、畳縁を縫い付けます。張る力も、強ければよいというものではありません。畳床の状態に合わせて納め、敷き込みで寸法と高さを確かめます。

「次の畳屋さんもお客さんだ」と考えて作る

次に表替えをするのは、私かもしれませんし、別の職人かもしれません。お客様から見えない裏側でも、次にほどく人が困らない仕事をしておきたい。これは、畳屋として大切にしている姿勢です。

新しい畳表の見た目だけでなく、今の畳床をどのように整えるかもご説明します。表替えの内容を知りたい方は、表替えと新畳の違いもご覧ください。ご相談では、今の畳で気になっていることからお聞かせください。

この記事を書いた人
畳マン六代目

青畳工房 六代目の古賀隆夫です。1982年生まれ、一級畳製作技能士。創業170余年の畳店を受け継ぎ、佐賀市水ヶ江を拠点に畳替えを行っています。

国産い草にこだわり、畳の状態を確認して、表替えで済むか新畳が必要かを正直に判断します。家具移動や素材選びも、六代目本人がご相談から施工まで対応します。

畳マン六代目をフォローする
六代目の仕事と考え