
畳に隙間があっても、畳床ごと交換するとは限りません。今の畳床を使える状態なら、表替えに伴う補修で対応できる場合があります。
こんにちは、青畳工房六代目の古賀隆夫です。隙間の幅だけでなく、どの方向に空いているか、畳床がどれくらいしっかりしているか、隣り合う畳や敷居がどう納まっているかを見て、必要な工事を判断します。家具の跡によるへこみも、表替えの際に確認するところです。
表替えは、今の畳床を生かし、表面の畳表を新しくする工事です。縁付き畳は畳縁も替えます。新畳は、畳床から作り直します。表替えと新畳の違いもご覧ください。
隙間には、縮みだけでなく最初の寸法も関係します
畳の框方向(畳の長さ方向)は、畳表をピンと張ることや、長年踏まれ続けることで縮みやすい方向です。最初から寸法が甘く、ゆるく納まっている畳では、そうした縮みによる隙間が目立ちやすくなります。
青畳工房では、畳を置くだけでスポスポと敷き込めるような寸法には作りません。隣り合う畳の端を持ち上げて向かい合わせ、ゆっくり押し込むように納まる寸法を目指します。この職人の納め方を「拝み合わせる」といいます。
単に大きく作るのではなく、お部屋と一枚ごとの位置に合わせて寸法を決めます。敷き込みは職人が行う仕事ですので、お客様が畳を持ち上げたり、力任せに押し込んだりする必要はありません。
隙間が空く方向によって、補修の仕方が違います
新しい畳表を張るだけで、隙間が自動的になくなるわけではありません。張る前に、隙間の形と畳床の状態に合わせて補修し、寸法を調整します。
框方向(畳の長さ方向)の補修
畳縁と畳表を外し、框の角がしっかり立つように、隙間分の当て物をします。そのうえで、新しい畳表を張ります。
畳床の形を整え、必要な寸法を補ってから張り直すことが大切です。
巾方向の補修は、縁付き畳ではこう行います
縁付き畳では、隙間の形に合わせ、隙間分だけ大きく畳表を裁断します。
畳床より畳表が軒のように飛び出す部分には、畳床の側面へ当て物をし、畳縁を縫い付けて仕上げます。框方向とは、補う場所も仕上げ方も違います。
これは縁付き畳の補修方法です。縁なし畳については、同じ方法をそのまま当てはめず、現物を確認します。
張り直したときに縮む分も、見込んで作ります
弱った畳床は、新しい畳表を張り直したときに、さらに縮む場合があります。今見えている隙間の分だけを足せばよいとは限らず、畳表を張った後の納まりも考えて補修します。
佐賀市神野の表替え工事では、畳を引き取る前に隙間の箇所を一枚ずつ確認し、張替えの際に寸法を補いました。その記事でも、畳床の状態によって張り直したときに縮む分を考慮することを紹介しています。隙間を確認して寸法を補った表替えの例をご覧ください。
家具の跡によるへこみも、表替えの際に確認します
畳は、芯になる畳床の上に畳表を張った構造です。家具の脚など、一部分へ重みがかかり続けると、へこみが残ることがあります。
へこんだ畳床の部分には、い草やゴザなどを切り合わせて補い、凹凸をならす作業を行います。畳床を使える状態なら、こうした補修と表替えで表面の平坦さをある程度取り戻せる場合があります。
一方、歩いたときにふかふか沈む状態は、家具の跡によるへこみとは分けて見ます。畳床だけでなく、下の床板が原因のこともあるためです。踏んだときの沈みについては、畳がふかふか沈むときに確認することで説明しています。
隙間の幅だけで、補修か新畳かは決めません
お寺など畳数の多い場所では、3cmほどの大きな隙間でも、各畳へ調整を分散して埋められる場合があります。ただし、隣り合う畳との兼ね合いがあるため、「3cmまでなら直せる」という基準ではありません。
一方、古民家などの8畳程度のお部屋で数センチも縮んでいる場合は、畳床の傷みがひどかったり、敷居のずれが大きかったりすることがあります。その状態によっては、新畳をお勧めする場合もあります。
見るのは、隙間の幅だけではありません。
- 畳の枚数と配置、どこに隙間が出ているか
- 今の畳床を補修して使えるか
- 隣り合う畳との寸法や高さの関係
- 敷居の位置と、お部屋への納まり
年数が経っていることや、床糸が一部切れていることだけでも、新畳とは決めません。傷んでいる範囲と畳床全体を確かめます。腐れやシロアリの食害などで畳床を再利用できない場合は、畳床から新しくします。
使える畳床を残せるのが表替えです。畳床を使えない場合は、新畳を選びます。踏んだときの沈みの原因が床板にある場合は、畳だけを替えても直らないことがあります。
簡単な詰め物と、敷居を固定してしまう工事は別の話です
すぐ外せる詰め物を、過度に心配する必要はありません
住む方が隙間へ入れた、すぐに取り除ける詰め物なら、通常は特に問題ありません。新聞紙やスポンジだからという理由で、一律に禁止するものではありません。
ただし、詰め物をしても畳の寸法そのものが直るわけではありません。畳替えの際に隙間の出方を見て、必要な補修を行います。
廊下の床を張り替える前に、敷居の位置も確認してください
畳に隙間ができているお部屋では、入口の敷居が廊下側から和室側へずれていることがあります。
そのずれを見落としたまま廊下のフローリングを張り直すと、敷居が和室側へ入り込んだ位置で固定され、元の位置へ戻せなくなる場合があります。その場合、表替えの際には、飛び出した敷居に合わせて畳の形を細かく修正しなければなりません。
廊下の床工事を予定している方は、工事前に敷居の位置も確認しておくと、畳の納まりについて一緒に相談できます。
表替えに伴う隙間補修に、追加料金はいただいていません
青畳工房では、表替えに伴う隙間補修に追加料金はいただいていません。
新しい畳表を張る前に、今の畳を確認し、必要な補修と寸法調整をする。お部屋へ戻したときの納まりまで整えることも、畳替えの仕事だと考えています。
隙間・へこみについてのよくある質問
隙間があっても、表替えで済みますか?
今の畳床を補修して使える状態なら、表替えで対応できる場合があります。隙間の出方、畳床、隣り合う畳、敷居を確認して判断します。
畳表を張り替えるだけで、隙間はなくなりますか?
張り替えるだけではなく、その前の補修と寸法調整が必要です。框方向と巾方向では方法が違い、弱った畳床では張り直したときの縮みも見込みます。
3cmくらい空いていたら、新畳になりますか?
幅だけでは決まりません。畳数の多い場所で調整を分散できる場合もあれば、畳床の傷みや敷居のずれで新畳を勧める場合もあります。3cmを補修できる上限としているわけではありません。
家具のへこみがあっても、表替えできますか?
畳床を使える状態なら、へこんだ部分を補って凹凸をならし、表替えできる場合があります。踏んだときに沈む場合は、畳床だけでなく床板も確認します。
隙間に詰め物をしていますが、問題ですか?
すぐに取り除ける詰め物なら、通常は特に問題ありません。ただし、畳の寸法を直す補修とは別です。畳替えの際に状態を確認します。
隙間補修は別料金ですか?
青畳工房では、表替えに伴う隙間補修に追加料金はいただいていません。
写真がなくても相談できますか?
はい。隙間がある場所や、へこみが気になり始めた時期など、分かることをお聞かせください。写真を撮るために畳を上げたり、重い家具を動かしたりする必要はありません。
隙間やへこみが気になったら、今の状態からご相談ください
「畳と畳の間が空いている」「家具の跡が残っている」「廊下の床工事を予定している」など、気になっていることをお知らせください。六代目・古賀隆夫が、畳床を使えるか、どこに補修が必要かを確認し、工事内容をお伝えします。
写真は、用意できる場合だけで大丈夫です。お部屋全体と気になる部分が写っていれば、最初のお話の助けになります。写真だけでは分からないところは、現地で確認します。
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