
「この素材なら何でも安心」と聞くと、選びやすく感じるかもしれません。でも、畳を使う部屋と暮らし方に合っているかまで聞いてから選んでほしいと思っています。
メリットの名前より、使う部屋で何がうれしいか
い草、紙を使った畳表、樹脂の畳表では、香りや触感、手入れ、経年変化が違います。座る、寝転ぶ、ペットと過ごすなど、どんな使い方をするかで選ぶ理由も変わります。

例えば、DAIKENの畳表は機械すき和紙を樹脂加工したもの、セキスイMIGUSAは樹脂を使う畳表です。天然い草とは別の素材なので、見本の手触りも比べてください。私はい草が好きですが、好みを押し付けず、違いを説明して選んでもらいます。
「カビが生えない」「色が変わらない」とは言い切らない
カビの発生を抑えたり、色が変わりにくかったりする製品でも、室内の湿気や表面の汚れ、使い方の影響は受けます。特徴を、すべての使用条件での保証に広げてはいけません。
水拭きできる素材も、水洗いできる畳とは別です。使う製品の手入れ方法、傷みやすい使い方を合わせて説明します。和紙・樹脂の畳表の違いと手入れもご覧ください。
電話で「和紙の畳が良いんですよね」と聞かれたとき
以前、「和紙の畳にしたい」「和紙の畳が良い畳なんですよね」と問い合わせをいただいたことがありました。私が積極的にはおすすめしていないと伝えると、驚かれました。
そこで素材の違いを説明すると、そうした注意点は聞いていなかった、と話してくださいました。ひとつの素材を良い・悪いで片付けるより、何が合い、何に気を付けるかを伝えることが大切だと感じた出来事です。
見本と今の畳床を、一緒に見る
素材の見本だけでなく、今の畳床に張れるかも確認します。特に藁床へMIGUSAを張る場合は、畳床の表面形状を拾うことがあるため、当店から積極的にはおすすめしません。その違いと仕上がりのリスクを説明し、了承いただいた場合に対応します。
国産い草は、い草の質、選別、織り、表面、手触りまで比べます。用途と予算に合う見本を使う部屋で見て、工事内容と総額を聞いてからご依頼を決めてください。


