臭いを残さない!畳についたおしっこの臭い対策と予防法

畳マン六代目
畳マン六代目

こんにちは、畳マン六代目です。
創業170年以上の歴史を誇る老舗「青畳工房」の六代目として、数えきれないほどの畳トラブルを解決してきました。
畳製作一級技能士の資格を持ち、国産畳表や佐賀県産い草を取り扱いながら、長く快適に畳を使い続けるためのノウハウを日々探究しています。そんな私のもとに特に多く寄せられるご相談が、「ペットやお子さんがおしっこをしてしまって、畳の臭いが取れない!」というお悩みです。

実は畳は自然素材ゆえに吸水性が高く、アンモニアを含む尿を吸い込むと臭いが残りやすい構造になっています。とはいえ諦める必要はありません。
適切な方法でお手入れをすれば、シミや臭いを軽減し、きれいな畳を長く保てる可能性があります。
ここでは、創業170年以上の老舗で培った実践的なテクニックをたっぷりとご紹介します。ペットや小さなお子さんがいるご家庭の方、ぜひ参考にしてくださいね。



なぜ畳のおしっこ臭はとりにくいのか

畳に使われているい草は、湿気を吸収・放出する特性を持っています。これにより、和室特有のさわやかな空気感を保てる反面、尿のようにアンモニアを含む液体がこぼれると、繊維の奥まで成分が入り込みやすいというデメリットも。特にペットのおしっこはタンパク質やアンモニア濃度が高く、時間が経つほど臭いが強く定着してしまいます。

さらに、畳が湿った状態が長く続くと、カビやダニの発生リスクも高まります。つまり、おしっこトラブルを放置すると、畳の見た目や衛生面、さらにはお部屋全体の空気環境にも悪影響を及ぼす可能性があるのです。見つけたら早めの対応を心がけましょう。


まずは応急処置!シミ取りの基本ステップ

「おしっこがついた!」とわかったら、スピード勝負が肝心です。時間が経てば経つほど、繊維の奥まで尿が染み込み、臭いも強くなります。以下の手順で、まずは可能な限り被害を最小限に抑えましょう。

  1. ティッシュやキッチンペーパーで水分を吸い取る
    こぼした直後なら、まだ畳表に液体が浮いている状態です。ティッシュを押し当てて吸収させると◎。こするとシミが広がるため、叩くように吸い取るのがポイントです。
  2. 塩や小麦粉などの粉でさらに吸着
    一度拭き取っても、畳の内部に入り込んだ水分はまだ残っています。塩・小麦粉・ベビーパウダーなどを振りかけ、数分置いてから掃除機で吸い取りましょう。粉が余計な水分やニオイ成分を吸着してくれます。
  3. 固く絞った雑巾でやさしく拭く
    最後に、固く絞った雑巾で畳の目に沿って拭き取ります。乾拭きを挟むとベスト。さらにサーキュレーターやエアコンを使ってしっかり乾燥させれば、臭い残りを防ぎやすくなります。

根強いアンモニア臭を断つ!3つの消臭アプローチ

① 熱湯処理
アンモニアは熱に弱い性質があります。そこで、少量の熱湯を汚れた部分にゆっくりかけてから、すぐに雑巾で拭き取る方法が有効です。ただし、畳は水分過多になるとカビの原因にもなります。かけすぎ厳禁で、かけたらすぐに吸い取るを繰り返しましょう。

② 消毒用エタノール
エタノールには強い消臭・殺菌効果があり、カビ予防にも役立ちます。スプレーボトルで畳に吹き付け、しばらく置いてから布で拭き取るだけ。アルコール分がすぐに蒸発するため、畳が湿気を含みにくいのもメリットです。

③ クエン酸スプレー
尿のアンモニアはアルカリ性。そのため、酸性のクエン酸で中和すると、臭いの原因を抑えられます。クエン酸を水に溶かしてスプレーし、馴染ませてから拭き取るのが基本。ただし、クエン酸は濃度が高すぎると変色リスクがあるので、適度に薄めて使いましょう。


ペットが何度も粗相してしまうのは、ニオイが原因かも⁉️

ペットはおしっこをした場所の臭いを辿って、同じところで用を足す習性があります。つまり、一度ついた臭いをしっかり取り除かない限り、同じ場所への粗相が繰り返される可能性が高いのです。

対策としては、上記の消臭方法で臭いを断つほか、ペット用の「粗相防止スプレー」を使うのも手。慣れないうちは行動範囲を制限し、トイレの位置を明確にすることも効果的です。トイレの数が少なすぎたり、汚れていると、別の場所でおしっこしてしまうケースもあるので注意しましょう。


どうしても臭いが残るときは「表替え」か「新調」を検討

早めに拭き取りや消臭処理をしても、臭いやシミがどうしても消えない場合は、畳の内部(畳床)まで汚れが達している可能性が高いです。そんなときは、畳の張り替えを検討してみてください。

  • 表替え(おもてがえ)
    畳床はそのままに、表面の畳表だけを新しいものに張り替える方法です。畳床がまだ丈夫な場合や、汚れや傷みが軽度な場合に適しています。比較的費用が抑えられるのもメリットです。
  • 新調
    畳床からすべて交換するパターン。長年使用して畳がへたっている場合や、カビ・ダニの被害が深刻な場合には思い切って新調がおすすめです。新品同様の見た目だけでなく、耐久性や防臭効果も格段にアップするでしょう。

畳マン六代目として、多くの現場を見てきましたが、おしっこのトラブルを長期間放置すると畳そのものが傷みやすくなり、結果として出費も大きくなるケースが多いです。
臭いがどうしても取れない、シミが広がってきたと感じたら、早めにプロへ相談することを強くおすすめします。


まとめ|おしっこ汚れは即対処で畳を長持ちさせよう

  1. こぼれたらすぐに拭き取る
    → ティッシュやキッチンペーパーで、トントン吸い取るのがポイント。
  2. 塩・小麦粉で追加吸着&雑巾拭きでスッキリ
    → シミ拡大を防止して、畳の目に沿って優しく拭く。
  3. アンモニア臭は熱湯処理・エタノール・クエン酸で対策
    → 乾燥を徹底して、カビを防止する。
  4. ペットの再発を防ぐため、臭いの元をしっかり断つ
    → 粗相防止スプレー、トイレの見直しなども効果的。
  5. どうしても消えない臭い・シミは畳の表替えや新調を検討
    → 早めの決断がコスト面でも有利。

創業170年以上の老舗として、畳に関するあらゆるお悩みを解決してきた実績があります。
おしっこ汚れや臭いは、一見厄介に思えるかもしれませんが、きちんと対処すれば畳をまだまだ長く使い続けられます。
もし自力で解決できない場合は、畳マン六代目にお気軽にご相談ください。お住まいの和空間が、より快適に生まれ変わるよう、全力でサポートいたします。

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枚数や、畳の状態によりお預かり日数が変わることがあります。

この記事を書いた人
畳マン六代目

創業170余年・青畳工房の「畳マン六代目」こと古賀隆夫。
古賀畳工業所から法人化し現在、正式な社名は「株式会社WT」であり、その代表取締役。
1982年生まれの畳製作一級技能士。

佐賀工業高校卒業後、3年間週1回の畳訓練校に通いつつ福岡県の中村製畳店にて弟子として修行。
その後ご縁があり山口県の荒川氏や奈良県の浜田氏など畳製作技術のスペシャリストの方々を師事することで通常業務では知り得ない技術の真髄を学ばせて頂く。

国産畳表を愛し、佐賀県最後のイ草生産者吉丸氏や、熊本県八代市のたくさんのイ草生産者さん達との繋がりを最高の財産だと考えている。

「中国産イ草を使わなければならないのであれば、その仕事はキッパリ断る」がポリシー。

時には伝統的な技術と新しいアイデアを融合し、家族が笑顔でほっとする空間作りを目指しています。

ありがたいことに地元佐賀や福岡のメディア取材多数頂いてます。
STS・NHK・ぶんぶんTV・FBS・FM佐賀・NBC・えびすFM・雑誌新聞等

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