佐賀市北川副のお客様宅で、畳の「裏返し」を行ったときの施工例です。
裏返しという名前から、畳そのものを上下反対にする作業だと思われることがあります。しかし実際は、畳床の上に縫い付けてある畳表を外し、今まで裏側だった面を表にして張り直す作業です。畳縁も新しいものへ交換します。
畳の裏返しで使うのは畳表の裏面です
畳縁と糸を丁寧に外し、畳表を畳床から取り外します。畳表は両面使えるように織られているため、裏面の状態が良ければ、こちらを表側にして再び張ることができます。
写真では、これまで使っていなかった面に青みが残っています。表面の日焼けや軽い擦れが気になってきた畳でも、裏面がきれいなら、表替えより費用を抑えて印象を整えられる場合があります。
畳そのものをひっくり返さない理由
畳は同じ部屋の中でも、敷く位置と向きに合わせて一枚ずつ寸法を調整しています。部屋は完全な長方形とは限らず、柱や敷居にもわずかな曲がりがあります。
そのため、畳を上下反対にしたり、別の位置へ入れ替えたりすると、入らない、隙間ができる、角が傷むといった問題が起こります。畳の裏側にゴザが付いていなくても、畳表の裏面が使える状態なら「裏返し」は可能です。
裏返しができるかは年数だけでは決まりません
一般には、新しくしてから数年以内が検討しやすい時期です。ただし、日当たり、使用頻度、飲み物のシミ、ペットの粗相、畳表の摩耗によって状態は変わります。
- 畳表の裏までシミや臭いが浸透している
- 畳表が破れたり、強く擦り切れたりしている
- 長年使っていて裏面も変色している
- 畳床が柔らかい、へこむ、傷んでいる
畳表の裏まで傷みやシミがある場合は、新しい畳表へ交換する表替えを検討します。畳床のへこみや柔らかさが気になるときは、畳床の強さ、傷み、湿気、寸法、縫い糸と、補修・調整して使えるかを確かめます。年数やへこみだけで、新畳と決めるわけではありません。
裏返し・表替え・新畳の違い
| 工事 | 交換する部分 | 向いている状態 |
|---|---|---|
| 裏返し | 畳表の裏面を再利用し、畳縁を交換 | 裏面がきれいで、畳床も使える |
| 表替え | 畳表と畳縁を交換 | 補修・調整して畳床を使え、表面が傷んでいる |
| 新畳 | 畳床を含めて一式交換 | 補修・調整では畳床を再利用できない |
迷う場合は畳の状態を確認します
裏返しで十分なのか、表替えが必要なのかは、写真だけで判断できる場合と、畳を上げて確認した方がよい場合があります。青畳工房では、六代目・一級畳製作技能士が畳の状態を見て、使える畳床には必要な補修と寸法・高さの調整を行います。補修・調整では再利用できない、または部屋に納まらない場合に、新畳をご提案します。
沈みがあるときは、畳床と、畳を上げて見える床板を分けて確認します。床板など建物側に原因がある場合は、畳替えだけでは解消できないこともあります。
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畳の裏返しについてよくある質問
裏返しをすると新品のようになりますか?
畳表の裏面を再利用するため、新しい畳表へ交換する表替えとは仕上がりが異なります。裏面に青みが残っていても、折れ、シミ、縫い跡が見えることがあります。
裏返しでも畳縁は選べますか?
はい。畳表を外す際に古い畳縁も取り外すため、新しい畳縁へ交換できます。部屋の雰囲気を変えたい場合もご相談ください。
一枚だけ裏返しできますか?
状態によっては可能です。ただし周囲の畳との色差が目立つことがあるため、同じ部屋の状態を見ながら判断します。



