100年以上前の畳床に現代の手抜き製作の組み合わせが酷い

畳替えのご縁があったお寺さんに住職さんが座る礼盤畳を寄贈してきました。

製作方法は略式の上ゴザ無しのタイプです。

使用した畳縁は白中紋です。

二畳台礼盤畳 

白中紋

仕事の内容にもよりますが、ご縁があったお寺さんには出来るだけお寺の宗派に合わせて、礼盤か、四天拝敷き等を寄贈しています。

そして新しくした礼盤畳の前に使われていた古い礼盤畳を処分するとのことで引き取ってきました。

その裏の画像です。
タッカー打ちの手抜き
もともとかなり昔に作られた礼盤を何度か張替えているようでした。

が、、前回の畳屋さんの作り方が酷すぎるというか作り方を知らないんだろうなというお粗末すぎるもの。

縫わずにタッカーを使って秒で止めてあります。。そのおかげで茶色い点はタッカーの錆がでてます。

縁は織物ではなく印刷の物・・。

この裏面の畳表なんと中継ぎ表と言われる今では貴重な織り方の畳表。裏返ししたゴザのようで中継ぎ特有の裏側に出るイグサを上手に毟ってありました。

恐らくは、この礼盤の数回に及ぶ表替えの初期からついていたようです。

しかしタッカーは何にもいいことないので遺憾ですね。本当、佐賀のお寺さんではこんなんばっか見ます。

まともに作れる畳屋はほとんどいないのか??

ちなみに今回畳マン六代目が製作して寄贈した礼盤の裏側の仕上げ↓

もちろんタッカーなんて使ってませんし、裏でもできる限り綺麗に紋が出るようにつくりました。

住職さんはこの仕上がりを見て、裏も使えるねって言われました(笑)

でも裏は裏ですけどねw

住職さんは、今まで他のお寺さんに前の礼盤を見られるのが恥ずかしくて堪らなかったといっておられました。

喜んでいただけたので寄贈した自分も嬉しくなりました^^

さて、中継ぎ表に気付いた私が、芯材がどうなっているかきになるので、これを解体しない訳がありません(笑)

裏側の中継ぎ表を剥がすと

筋縫い畳床

やっぱり!!手床だ!!

手縫い畳床の作り方でいうと、「筋縫い」という畳床でした^^

さらに解体を進め、表側を剥がすと、礼盤の厚み調節の為か、丹波表がでてきました!!

そこにもビックリしましたが、表側の畳床は裏と種類が違う!!

今回の礼盤は畳の厚みが約2枚分の二畳台ですので、畳床を重ねて使ってあるのです。

棒縫い畳床
なんと!これは珍しい!棒縫いの手床が出てきました。

古床で棒縫いが出てきたのは初めてでビックリ!

裏面の筋縫い畳床よりも簡易な作り方になる棒縫い畳床ですが、おそらく裏表の畳床は作られた年代が全く違うのではないだろうかと推測。

古い畳を解体して、その畳床を切り合わせて礼盤畳を作ってあることも多々あることです。

しかし畳床の構造を見た瞬間に手床の名前がわかるなんて・・・本当に山口県の荒川さんに手床を習っていて良かった~♪

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この記事を書いた人
畳マン六代目

創業170余年・青畳工房の「畳マン六代目」こと古賀隆夫。
古賀畳工業所から法人化し現在、正式な社名は「株式会社WT」であり、その代表取締役。
1982年生まれの畳製作一級技能士。

佐賀工業高校卒業後、3年間週1回の畳訓練校に通いつつ福岡県の中村製畳店にて弟子として修行。
その後ご縁があり山口県の荒川氏や奈良県の浜田氏など畳製作技術のスペシャリストの方々を師事することで通常業務では知り得ない技術の真髄を学ばせて頂く。

国産畳表を愛し、佐賀県最後のイ草生産者吉丸氏や、熊本県八代市のたくさんのイ草生産者さん達との繋がりを最高の財産だと考えている。

「中国産イ草を使わなければならないのであれば、その仕事はキッパリ断る」がポリシー。

時には伝統的な技術と新しいアイデアを融合し、家族が笑顔でほっとする空間作りを目指しています。

ありがたいことに地元佐賀や福岡のメディア取材多数頂いてます。
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