畳にカビが出たら張り替えが必要?手入れ・表替え・新畳の判断

畳にカビが出ても、すぐに表替えや新畳が必要とは限りません。 一時的な湿気が原因で、処理後にシミや傷みが残っていなければ、手入れと湿気対策で今の畳を使い続けられる場合があります。

畳のカビは、暮らし方だけが原因とは限りません。閉め切った部屋、結露の多い窓際、布団や敷物の下など、湿気が残りやすく空気が動きにくい場所で出ることがあります。床下からの湿気や雨水の影響が隠れている場合もあります。

青畳工房の六代目、古賀隆夫です。私はまず、カビがどこまで広がっているか、畳が湿っていないか、畳床まで傷んでいないかを見ます。畳床は、畳表の下にある芯の部分です。替えることを先に決めず、手入れで済ませられるかから考えます。

最初に、カビの範囲と畳の湿り気を確認します

掃除を始める前に、次の点を確認してください。部屋全体とカビが見える部分を写真に残しておくと、相談するときにも状態が伝わりやすくなります。

  • 一枚の一部分だけか、何枚にも広がっているか
  • 白っぽい付着だけか、黒ずみや変色もあるか
  • 表面や畳の縁が湿っていないか
  • 乾かしてもにおいが残るか
  • 同じ場所に繰り返し出ていないか
畳表の表面に白いカビが見える状態
畳表の目に沿って白いカビが見えた例。表面だけでなく、周囲の湿り気も確認します。

私が見るのは、表面だけではありません

部屋の隅など、空気の流れが悪いところは特に見ます。敷物があれば外し、その下も確認します。タンスの下に白いカビが見られることもあります。

畳を上げたときには、畳表が裏側へ折り返されている部分も見ます。畳床の裏面とは別の場所です。ここに黄色いカビが見られ、接している床面にも付いている場合があります。

こうした隠れた場所の確認は、私が伺ったときに行います。お客様が重い畳やタンスを無理に動かす必要はありません。

湿気が抜けにくい場所では、畳にカビが出ることがあります

い草には湿気を吸ったり放したりする性質がありますが、湿った状態が長く続けば、カビが発生することがあります。畳の調湿作用だけで、部屋の湿気を解消できるわけではありません。

特に確認したいのは、窓の結露が落ちる場所、敷いたままの布団やカーペットの下、大きな家具の周りです。水分を多く使った掃除のあとや、普段ほとんど開けない部屋にも湿気が残ることがあります。

特に梅雨や夏、雨で外の空気が湿っているときは窓を閉め、除湿機やエアコンを活用します。晴れていても、外の空気が湿っていれば換気で湿気を取り込んでしまいます。晴れて外の空気が乾いているときに、風を通してください。扇風機やサーキュレーターも、部屋の状態に合わせて使います。

私は、日常の湿度と温度の管理を大切にしています。湿度か温度のどちらかがカビの増えやすい条件を下回れば、増えにくくなります。ただし、冷房や除湿をすれば、すでにあるカビがなくなるという意味ではありません。

換気については、梅雨・雨の日の換気と畳のカビ対策でも説明しています。

掃除方法は、畳表の素材と傷み方で変わります

カビを取ろうとして水拭きをしたり、消臭スプレーをたくさん使ったりするのは避けてください。水分を加えると、カビが増える原因になることがあります。敷物で覆って隠すのも、湿気がこもるので勧めていません。

い草、和紙、樹脂では手入れの方法が同じではなく、使える洗剤や拭き方も製品によって異なります。素材を確かめ、その畳表とカビの状態に合う処理をすることが大切です。素材が分からないときや、変色が広いときは、薬剤を使う前に畳店へ確認してください。

手入れのあとは、すぐに何かをかぶせず、畳表と部屋を乾かします。布団を敷きっぱなしにしないための使い方も参考にしてください。

畳を上げて確認した方がよい状態

  • 何枚にも広がっている
  • 黒ずみや深い変色がある
  • 乾かしても強いにおいが残る
  • 畳が柔らかい、膨れている、形が崩れている
  • 掃除しても同じ場所に繰り返し出る
  • 雨漏り、結露、床下の湿気が疑われる

このような場合は、見えている畳表だけでなく、畳床や床板が湿っていることがあります。この一覧に当てはまるだけで新畳と決めず、実際の状態を確かめます。

手入れで、今の畳を使える場合

一時的な湿気が原因なら、状態に合う対処方法をお伝えします。黒いシミなどが残らず、畳が傷んでいなければ、表替えをしなくても済む場合があります。

新しいい草の畳表は、環境によってカビが出やすいこともあります。そのため私は、カビが出たからとすぐ新しい畳表へ替えるのではなく、できるだけ表替えをせずに済む方法から考えます。

シミが残るときは、表替えを相談します

処理後にシミが残った場合は、見た目をどう整えたいかを伺い、畳床の状態を確認します。畳床が使えるなら、芯を残して表面を替える「表替え」を検討できます。

黒い点やシミがあることと、畳床まで使えないことは同じではありません。

腐れがあるほど傷んでいれば、新畳へ

畳床が腐るほど状態が悪く、再利用できない場合は、芯から新しくする「新畳」への入れ替えになります。表面だけを替えても、傷んだ畳床は直りません。

工事の違いは、表替え・裏返し・新畳の説明をご覧ください。

一級畳製作技能士・畳マン六代目が畳床まで確認します

写真では表面の広がり方を確認できますが、畳床や床板の状態までは分からないことがあります。青畳工房では、私が畳を上げ、手入れで使えるか、表替えでよいか、新畳が必要かを見ます。

カビが出た理由も一つとは限りません。窓際だけなのか、敷物の下だけなのか、部屋全体なのかを一緒に見ながら、掃除後の使い方や畳替えの要否をお伝えします。

和紙や樹脂へ替えれば、カビ臭さもなくなりますか?

畳表の素材を替えることと、臭いや湿気の原因を取り除くことは別です。和紙や樹脂を選んでも、部屋や畳の下に湿気が残れば、その状態の確認が必要です。

素材選びの際、私は、い草のような臭いの吸着を和紙や樹脂に期待して替えないようお話ししています。臭いの発生源が残っていると、素材を替えたあとに、かえって臭いを強く感じる可能性もあるからです。い草なら臭いの原因を取り除ける、ということでもありません。

当店では、表替えのあともカビ臭さが残った事例はありません。もしそのようなことがあれば、再利用した畳床に問題がないか、臭いの原因が畳以外にないかを確認します。また、化学畳表の素材自体の臭いを敏感に感じている可能性も考えます。素材の臭いとカビ臭さを同じものと決めつけず、どこから、どんな臭いがするのかを確かめます。

カビ以外の臭いについては、畳の臭いの原因と確認する場所で説明しています。

よくある質問

カビが出たら、畳は全部交換ですか?

いいえ。一時的な湿気が原因で、処理後にシミや傷みが残らなければ、手入れと環境改善で今の畳を使える場合があります。畳床が腐るほど傷んでいる場合は新畳になりますが、カビが出たことだけで全部交換とは決めません。

黒い点やシミがあれば、新畳が必要ですか?

黒い点やシミだけでは決めません。処理後に残る見た目をどう整えたいかと、畳床の状態を確認します。畳床が使える場合は、表替えを検討できます。

カビは濡れた雑巾で拭けば取れますか?

カビを取るための水拭きは勧めていません。水分を加えるとカビが増える原因になることがあります。畳表の素材とカビの状態を確認し、それに合う処理をします。

和紙畳や樹脂畳なら、カビは出ませんか?

畳表の素材によってカビの出やすさや手入れ方法は変わりますが、部屋や畳の下まで湿らないという意味ではありません。畳表だけでなく、畳床や床板の湿り気も確認します。素材を替えるだけで、臭いや湿気の原因まで解決するとは限りません。

雨の日も窓を開けて換気した方がよいですか?

特に梅雨や夏、雨で外気が湿っているときは、窓を閉め、除湿機やエアコンを活用します。晴れて外の空気が乾いているときに換気し、湿った空気を取り込まないようにします。

写真だけでも相談できますか?

はい。写真があれば、和室全体とカビが見える部分、その周囲をお送りください。写真で分かる範囲をお伝えし、必要なら伺って畳を上げて確認します。写真がなくても相談できます。撮影のために重い畳や家具を動かす必要はありません。

畳を替える必要があるか、今の状態からご相談ください

カビにいつ気づいたか、どのあたりに出ているか、畳が湿っているかをお聞かせください。写真があれば、見える部分の接写と和室全体が分かると助かります。写真はなくてもかまいません。

手入れで使い続けられるか、表替えや新畳が必要か。私が状態を見て、必要な対応をご説明します。見本選び・現地見積りのご案内もご覧いただけます。

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この記事を書いた人
畳マン六代目

青畳工房 六代目の古賀隆夫です。1982年生まれ、一級畳製作技能士。創業170余年の畳店を受け継ぎ、佐賀市水ヶ江を拠点に畳替えを行っています。

国産い草にこだわり、畳の状態を確認して、表替えで済むか新畳が必要かを正直に判断します。家具移動や素材選びも、六代目本人がご相談から施工まで対応します。

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