畳に布団を敷きっぱなしにするとどうなる?湿気とカビをためない使い方

朝、布団をめくった畳がひんやりしていたり、少ししっとり感じたりすることがあります。畳に布団を敷くこと自体が問題なのではありません。気をつけたいのは、寝ている間の湿気が布団と畳の間へ残ったまま、次の夜まで覆われ続けることです。

畳の寝室を気持ちよく使うには、高価な道具を先に買うより、布団を上げたときに畳と布団の裏を一度見る習慣が役に立ちます。

布団の下は、風が通らない場所になります

人が眠ったあとの布団には湿気が残ります。畳の上へ直接敷いた場合、その水分は布団の裏側と畳の表面が接する場所へ集まりやすくなります。

布団を上げれば空気に触れますが、敷いたままでは乾くきっかけがありません。冬は窓の結露、梅雨は高い室内湿度、夏は寝汗が重なります。季節だけでなく、部屋の風通し、外壁に近い場所、畳の下の床板の状態でも乾き方は変わります。

国産い草の畳だけに起きる話でもありません。和紙製や樹脂製の畳表でも、布団の下や畳の合わせ目へ湿気がたまることはあります。表面の素材を替えるだけで、布団の敷きっぱなしによる湿気がなくなるわけではありません。

起きたら、布団で隠れていた畳を見ます

布団を上げる目的は、部屋を片づけて見せることではなく、布団の裏と畳へ風を当てることです。

毎朝きれいに押し入れへ収納できなくても、布団を半分ずつめくって時間を置く、布団に使える室内物干しへ掛けるなど、裏側へ空気を通す方法があります。物干しの耐荷重と布団の重さを確かめ、倒れにくい場所で使います。

朝すぐに片づける必要がある日は、掛け布団を外し、敷布団の半分をめくって、着替えや朝食の間だけでも裏側を空気に触れさせます。布団の中央と足元の裏に湿りや臭いが残っていれば、押し入れへ戻す前に、その布団に使える室内物干しや布団乾燥機で乾かします。

布団を乾かしても、押し入れの中が湿っていれば、収納中にまた水分を抱えます。戸を開けたときに湿った臭いがする、壁や床に水滴や変色がある場合は、布団を詰め込まず、収納側にも空気を通します。布団だけ、畳だけと分けず、朝に両方を見ることが大切です。

上げたときは、次の三つを短く見てください。

  • 布団の裏が湿っていないか
  • 畳の色が布団の形に沿って変わっていないか
  • いつもと違う臭いがしないか

窓に水滴が多い日は、布団の下だけでなく窓際や壁際の畳も見ます。窓を開けられない天候なら、エアコンの除湿、除湿機、サーキュレーターなどで空気を動かします。機器は水がこぼれない場所に置き、使用方法は製品の説明書に従ってください。

畳を守るつもりの敷物が、湿気を隠すことがあります

布団の下へカーペットや厚い敷物を重ねると、畳との間にもう一つ風の通らない層ができます。「畳を汚したくないから」と何枚も重ねるほど、下の状態が見えにくくなります。

除湿シートやすのこを使う場合も、置いただけで終わりではありません。対応する床材、耐荷重、手入れ方法を製品表示で確かめ、シート自体を乾かす日を作ります。すのこは脚や角へ荷重が集中し、畳をへこませることもあるため、形と置き方を見てください。

何かを一枚足す前に、今使っている布団を上げる時間を作れるか、部屋の空気を動かせるかを先に考えます。

畳が湿っていた日の戻し方

布団を上げた畳が湿っていたら、すぐに同じ場所へ敷き直さず、まず表面を乾かします。

畳の目に沿って乾いた布で水分を取り、室内の空気を動かします。濡れた部分へ消臭スプレーや洗剤を足すと、水分を増やし、輪じみや臭い残りの原因になることがあります。窓からの雨、飲み物、尿など、湿った原因がはっきりしているときは、それぞれに合う処置が必要です。

布団も、裏側まで乾いたことを確かめてから戻します。天日干しが難しいときは、室内干しや布団乾燥機など、その布団に使える方法を選びます。

ペットやお子さんの粗相があった場合は、乾かすだけで済まないことがあります。畳についた尿の取り方と臭いの確認では、こすらず水分を取る手順を説明しています。

黒い点や臭いが出たら、布団を戻す前に範囲を見ます

布団の形に沿った変色、黒や緑の点、カビを思わせる臭いがあるときは、その上へ布団を戻して隠さないでください。

先に布団を別の場所へ移し、畳のどこまで変化しているかを見ます。一枚の表面だけなのか、畳の合わせ目にも続いているのか。畳を踏んだときに柔らかくなっていないか。水分が畳床まで達していると、表面を拭いただけでは臭いや傷みが残ることがあります。

カビの状態によって掃除方法は変わります。広げないための扱いは、畳にカビが出たときの原因と対処をご覧ください。ダニについて気になる場合も、目に見えないものを写真だけで断定せず、畳のダニを増やさないための掃除と湿気対策を分けて確認してください。

布団を敷く場所を、ときどき変える

毎日同じ位置へ布団を敷くと、湿気だけでなく荷重も同じ畳へ集まります。部屋の広さと家具の配置が許せば、敷く向きを変える、壁から少し離す、数日ごとに位置をずらす方法もあります。

ただし、畳一枚一枚には部屋に合わせた位置があります。畳そのものを勝手に入れ替えたり向きを変えたりすると、寸法が合わず、隙間や段差が出ることがあります。動かすのは布団の位置であって、畳の敷き方ではありません。

床の間や押し入れの前、出入口など、動線をふさがないことも大切です。毎日上げ下ろしできる位置を選ぶ方が、特別な対策を一度だけするより続きます。

表面を乾かしても戻る臭いは、畳床まで見ます

布団を上げて換気しても同じ場所の臭いが戻る、畳が波打つ、押すと戻りにくい、畳の合わせ目まで黒ずんでいる。そのようなときは、畳表だけでなく畳床や床板にも影響がないかを見ます。

畳床がしっかりしていれば表替えで使えることがあります。畳床が崩れている、水分や臭いが内部へ深く残っている、下の床板にも傷みがある場合は、新畳や建物側の補修を分けて考えます。

写真から分かるのは、変色した位置と広さ、畳の隙間、部屋の使い方までです。畳床を再利用できるかは、畳を上げて確かめます。気になる場所があれば、布団を外した和室全体と、変色や傷みへ近づいた写真を青畳工房の相談窓口からお送りください。

この記事を書いた人
畳マン六代目

青畳工房 六代目の古賀隆夫です。1982年生まれ、一級畳製作技能士。創業170余年の畳店を受け継ぎ、佐賀市水ヶ江を拠点に畳替えを行っています。

国産い草にこだわり、畳の状態を確認して、表替えで済むか新畳が必要かを正直に判断します。家具移動や素材選びも、六代目本人がご相談から施工まで対応します。

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