床暖房の上に畳を使える場合はあります。ただし、床暖房であればどの畳でもよいわけではありません。
確認が必要なのは、床暖房設備の方式と施工条件、畳を納める部分の寸法、必要な畳の厚み、使用する畳床、既存の床や畳の状態です。床暖房設備が認めていない敷き方を、畳だけの判断で進めることはできません。
この記事では、設備側へ確認することと、畳店が現場で確認できることを分けて説明します。
先に結論|床暖房と畳の両方が対応していることが必要です
床暖房の上へ畳を納めるには、少なくとも次の二つがそろっている必要があります。
- 床暖房設備側が、その床仕上げや畳の使用を認めている
- 設備の条件に合う厚み・構成の畳を製作できる
床暖房の熱源や床の構造は住宅ごとに異なり、使用できる床材や運転時の注意も同じとは限りません。施工説明書を確認し、不明点は住宅会社、施工会社または設備の問い合わせ先へ確認してください。
フローリング用床暖房への置き畳と、床暖房対応畳を納める設計の和室は別です。「薄ければ置ける」とは判断できません。
床暖房の方式と施工条件を先に確認します
畳店が畳を測っても、床の内部にある配管や発熱体の仕様までは判断できません。資料があれば、次の情報を探してください。
- 床暖房の製品名・型式と施工説明書
- 畳を含む床仕上げ材の指定や制限
- 床暖房の範囲と配管・配線の図面
- 住宅会社や施工会社の連絡先
資料がなくても見た目だけで対応可否を決めません。配管や発熱体の位置が分からないまま、床へ釘やビスを打つ、床材を剥がすなどの工事を進めてはいけません。
運転を止める時期や、施工後に再び運転する時期についても、設備側の説明に従います。畳店の経験だけで一律の日数や温度を決める内容ではありません。
畳店では厚み・寸法・既存床を確認します
設備側の条件が分かったら、畳を納める場所を確認します。畳は一枚ずつ寸法が異なり、部屋の幅だけでは注文できません。
畳の厚みと敷居の高さ
畳を納める深さ、敷居や隣の床との高さ、扉の開閉を確認します。床暖房用の和室には薄い畳が使われることがありますが、必要な厚みは建物側の納まりで決まります。
わずかな厚みの違いも段差や扉との干渉につながるため、畳を外した状態で床から仕上がり面まで確認します。
一枚ごとの寸法と部屋のゆがみ
畳は部屋の形に合わせて製作します。壁や敷居が完全な直線とは限らず、柱の出っ張りや角度の違いもあります。既存畳の長さと幅、部屋の対角、隙間や盛り上がりを確認し、新しい畳の寸法を決めます。
一枚だけ交換する場合も、周囲の畳との高さや色の差まで見て判断します。
畳床と床面の状態
畳の芯材である畳床が設備条件に合うか、反り、へこみ、割れ、湿気の跡、裏面の変色がないかを見ます。
床面に盛り上がり、沈み、変色があれば、畳の交換だけで解決するとは限りません。畳を製作する前に住宅会社などへ確認します。
畳は薄いほど暖かい、とは限りません
床暖房の熱が室内へ伝わるまでには、床の構成や畳の厚み、畳床の材質などが関係します。ただし、厚みだけを見て暖かさや効率を断定することはできません。
薄くても設備条件に合わない畳は使えません。反対に、指定された構成の中で必要な強度や納まりを確保することも重要です。表面の畳表を国産い草、和紙、樹脂のどれにするかだけで、床暖房への対応可否が決まるものでもありません。
暖まり方や運転条件は設備側へ、畳の厚み・寸法・畳床は畳店へ確認します。
既存の床暖房用畳は表替えできるとは限りません
表替えは、今ある畳床を再利用して畳表を張り替え、縁付き畳は畳縁も替える工事です。床暖房用に使われる薄い畳は、畳床の構成や傷み方によって表替えできない場合があります。
確認するのは、畳表を縫い直せる状態か、畳床に反りや割れがないか、周囲との高さを保てるか、設備条件に合う構成かという点です。表面だけが傷んで見えても、畳床まで傷んでいれば新畳が必要です。
畳床を再利用できる状態なら、表替えで済む可能性もあります。畳の表面、側面、部屋全体が分かる写真があれば、現地で確認すべき点を事前に整理できます。
薄畳一般の表替えについては、薄い畳は表替えや畳替えができない場合もありますでも説明しています。マンションで使われる薄畳と管理規約の確認は、マンションの畳替え|12mm薄畳・沈み・管理規約の確認点をご覧ください。
反り・隙間・段差があるときの見方
反りや隙間の原因を床暖房だけに決めつけることはできません。畳の乾燥や経年変化、畳床の傷み、部屋側の変化、製作寸法なども考えられます。
次の状態があれば、交換前にお知らせください。
- 畳の角や中央が浮いている
- 畳と畳の間、壁際に隙間がある
- 踏むと沈む場所がある
- 敷居より畳が高い、または低い
- 扉や収納に畳が当たる
- 床暖房の使用中だけ気になる変化がある
異音や異臭など設備の不調がある場合は、畳店ではなく、まず住宅会社や設備の窓口へ相談してください。
交換を相談するときに用意したい情報
床暖房のある和室は、最初の連絡で次の情報が分かると確認が進みやすくなります。
- 床暖房の製品名・型式・施工資料の有無
- 新築時または改修時の住宅会社・施工会社
- 現在の畳の枚数と、おおよその厚み
- 表替えか新畳か、まだ決めていないこと
- 反り、隙間、沈み、段差など困っている症状
- 和室全体、畳の側面、気になる箇所の写真
畳を自分で無理に持ち上げて厚みを測る必要はありません。重い畳を動かすとけがや床の傷につながるほか、元の位置へ正しく戻せなくなる場合があります。確認できる資料と見える範囲の写真からお知らせください。
畳床の基本的な違いは畳床の種類と選び方、表替えと新畳の違いは畳替えとはで確認できます。
よくある質問
フローリングの床暖房の上へ置き畳を敷けますか?
一律には答えられません。床暖房設備が上に敷く物を制限している場合があるため、先に設備の施工説明書や住宅会社へ確認してください。置き畳側も、厚み、裏面、使用条件を確認する必要があります。
今ある床暖房用畳は、畳表だけ張り替えられますか?
畳床の構成と状態によります。薄い畳は縫い直せる余地が少ないものや、傷んだ畳床を再利用できないものがあります。現物を確認し、表替えで済むか新畳が必要かを判断します。
国産い草・和紙・樹脂の畳表なら、どれでも使えますか?
畳表の素材だけでは決まりません。床暖房設備の条件、畳床、厚み、施工方法を含めて確認します。色柄や掃除のしやすさは、その適合確認をした後に選びます。
床暖房の上にラグやカーペットも重ねてよいですか?
床暖房設備の説明書に従ってください。畳、ラグ、カーペットを重ねたときの使用可否を、畳店から一律に案内することはできません。
床暖房を動かしたまま畳を交換できますか?
運転停止や再運転の時期は設備ごとに異なるため、施工説明書や住宅会社へ確認します。施工日が決まる前に、必要な手順を畳店とも共有してください。
床暖房の資料と和室の写真をお送りください
床暖房の製品名や施工資料、和室全体、畳の側面、反りや隙間など気になる箇所の写真をLINEでお送りください。
畳の厚みや寸法、畳床の状態を確認し、表替えで済むか、新畳が必要かをお伝えします。設備側の条件が分かれば、その範囲で製作できる畳も一緒に検討できます。佐賀市水ヶ江の青畳工房で、六代目・古賀隆夫本人が確認します。
電話でのご相談は、通話無料の0120-743-443へどうぞ。

