畳の上にタンスを置いても大丈夫なのか、脚の下には何を敷けばよいのか。重い家具を動かしたとき、畳のへこみや黒ずみを見つけて不安になる方も少なくありません。
畳の上にタンスを置くこと自体はできます。ただし、重量を一点に集中させないこと、湿気を閉じ込めないこと、無理に動かさないことが大切です。
この記事では、創業170余年の青畳工房で六代目を務める一級畳製作技能士が、タンスの置き方、下に敷いてよい物、へこみやカビを見つけたときの判断、畳替え時の家具移動まで整理します。
先に結論
- 脚付き家具は、脚より広い硬質の敷板で荷重を分散する
- 段ボール・新聞紙・カーペットを全面に敷きっぱなしにしない
- 壁との間や家具の下に湿気をためない
- 大きなタンスは自分だけで無理に動かさない
- 沈み・強い臭い・黒い斑点があれば、畳表だけでなく畳床や床下も確認する
畳の上にタンスを置いても大丈夫です
和室にタンスを置くことは珍しくありません。畳は家具を置けないほど弱い床材ではありませんが、同じ場所へ長期間大きな荷重がかかると、畳表や内部の畳床が圧縮されて跡が残ります。
特に、細い4本脚の家具、金属製の脚、キャスター付き収納は、重さが小さな面積へ集中します。反対に、底面が広く安定した和ダンスは荷重が分散しやすいものの、底全体が畳へ密着すると湿気が抜けにくくなります。
「置けるか、置けないか」だけではなく、家具の重さ・接地面・風通しを一緒に考える必要があります。
タンスの下に敷くなら「硬くて広い敷板」
脚付き家具は、脚より一回り広い板で支える
脚のあるタンスや棚は、家具の脚より広い硬質の敷板を使うと、畳へかかる力を分散できます。家具用の敷板や、表面が滑りにくく十分な強度がある木板が候補です。
敷板は、4本の脚それぞれへ同じ高さの物を使用します。柔らかさや厚みが違う物を混ぜると家具が傾き、転倒しやすくなるため危険です。
畳全体を覆う敷物は避ける
へこみを防ごうとして、タンスの下へ段ボール、新聞紙、カーペット、ゴムシートなどを広く敷きっぱなしにすると、湿気やほこりがたまりやすくなります。
特に段ボールは湿気を吸いやすく、害虫の隠れ場所にもなります。家具の底面全体を覆うより、必要な接地点だけを硬い敷板で支える方が、状態を確認しやすくなります。
| 下に敷く物 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 家具用の硬質敷板 | 候補 | 脚より広い物なら荷重を分散しやすい |
| 強度と厚みが揃った木板 | 条件付きで候補 | 家具が水平で安定する大きさ・強度が必要 |
| 薄いフェルトだけ | 傷防止向け | 擦れは減らせても、重い家具のへこみ対策には不十分 |
| 段ボール・新聞紙 | 長期使用は避ける | 湿気を含みやすく、状態を確認しにくい |
| カーペット・ゴムシート | 全面敷きは避ける | 湿気を閉じ込め、カビや変色に気づきにくい |
へこみを完全に防ぐのは難しい
敷板を使っても、重い家具を長期間置けば多少の跡が残る場合があります。畳表だけでなく、その下の畳床も重さで圧縮されるためです。
畳のへこみへ熱湯をかける、濡れタオルの上からアイロンを当てるといった方法はおすすめしません。水分や熱で畳表を変色させたり、湿気が内部へ残ってカビの原因になったりする可能性があります。
浅い家具跡で畳が安定しているなら、見た目の問題だけで済む場合があります。一方、踏んだときに大きく沈む、家具の周囲まで柔らかい場合は、畳床や下地の確認が必要です。詳しくは畳が沈む・ふかふかする原因もご覧ください。
タンスの下にカビが出やすい理由
重い家具の下は掃除しにくく、空気も動きにくい場所です。外壁側、北側の部屋、水回りに近い和室は、季節によって結露や湿気の影響を受けることがあります。
また、タンスを壁へ密着させると、家具の背面と壁の間にも湿気が残ります。可能な範囲で空気が通る余地を設け、部屋の換気や除湿を行ってください。ただし、背の高い家具は転倒防止を優先し、建物側へ適切に固定することが必要です。
次のサインがあれば家具の周囲を確認
- 部屋へ入ったときに、以前はなかったカビ臭さがある
- タンスの横から見える畳に黒・白・緑色の斑点がある
- 畳が湿っぽく、掃除機をかけても臭いが残る
- 家具の近くを踏むと柔らかく沈む
- 畳の表面が波打つ、隙間が急に広がった
見える範囲だけを強くこすると、カビの胞子を広げたり、畳表を傷めたりすることがあります。広い範囲に変色や臭いがある場合は、家具を無理に動かす前に写真を撮り、畳店へ状態を伝えてください。
畳と家具を長持ちさせる置き方
1.部屋へ入れた直後に位置を決める
タンスを畳の上で引きずると、畳目へ逆らって傷やささくれができます。位置を変えるときは中身を減らし、複数人または専門業者で持ち上げて移動してください。
2.転倒防止を畳より優先する
へこみを避けるために不安定な台へ載せるのは危険です。背の高い家具は、家具メーカーや自治体の防災案内に沿い、壁の下地へ固定するなどの転倒対策を行ってください。
3.家具の周囲を掃除し、湿気をためない
家具の下を頻繁に動かす必要はありませんが、家具の前・横・壁際にほこりをためず、換気や除湿を続けます。押し入れや部屋全体も閉め切ったままにしないことが大切です。
4.動かせる機会に畳の状態を確認する
衣替え、引っ越し、畳替えなど、家具を安全に動かせる機会に、家具の下と壁側を確認します。色が違って見えるだけなら、日焼けしていない部分が残っている場合もあります。臭い・斑点・沈みがあるかを分けて見てください。
タンスの跡は表替えで直る?新畳が必要?
家具跡が畳表だけにあり、畳床がしっかりしている場合は、表替えで見た目を整えられることがあります。畳床まで大きくへこんでいる、湿気で崩れている、踏むと沈む場合は、新畳が必要になる可能性があります。
タンスを動かす前の写真だけでは、畳床の状態を断定できません。家具を安全に移動し、畳を上げたときに裏側や床板まで確認して判断します。
表替え・新畳・裏返しの違いは畳替えとは?、費用の目安は畳替え価格表で確認できます。
畳替えのとき、タンスは自分で動かす?
畳替えのために、重いタンスを事前に別の部屋へ運ぶ必要はありません。畳を順番に上げながら、家具を移動できる場合があります。
ただし、タンスの上の割れ物、貴重品、精密機器は事前に移動してください。中身が多く極端に重い場合は、着物や本などを減らしていただくと安全に作業できます。ピアノ、金庫、大型仏壇などは、通常の家具と同じように動かせないため事前確認が必要です。
家具移動の流れは、既存記事畳替えでタンスや家具は動かしてもらえる?で詳しく説明しています。
よくある質問
タンスの下に新聞紙を敷いてもよいですか?
長期間の敷きっぱなしはおすすめしません。新聞紙は湿気を含みやすく、破れやほこりで状態も確認しにくくなります。脚の荷重を分散する目的なら、強度がある家具用の敷板が候補です。
タンスの下だけ畳の色が緑ですが、カビですか?
周囲が日焼けして黄金色になり、家具の下だけ日が当たらず元の色が残っている場合があります。色の違いだけでなく、斑点、湿り、カビ臭さ、表面の毛羽立ちを確認してください。
家具の跡がついた畳は裏返しできますか?
畳表の使用年数、傷み、家具跡の深さによって変わります。裏面にも汚れや傷みがある、畳床がへこんでいる場合は裏返しが適さないことがあります。
佐賀市以外でも、家具がある和室を相談できますか?
はい。佐賀市を中心に、佐賀県内と福岡県の一部地域へ伺っています。掲載のない市町村でも対応できる場合があります。詳しくは営業エリアをご確認ください。
家具を動かす前に、写真で状態を確認できます
タンスの下や周囲に、へこみ・黒ずみ・臭い・沈みがある場合は、無理に一人で動かさないでください。家具の種類と和室全体が分かる写真があると、安全な移動方法と畳替えの内容を整理しやすくなります。
LINEでは、次の5点をお送りください
- お住まいの市町村
- 畳の枚数
- 家具の種類とおおよその大きさ
- へこみ・黒ずみ・沈みが分かる写真
- 畳替えの希望時期
家具と畳の写真をLINEで送る
お急ぎの方は 0120-743-443(通話無料)へお電話ください。

