畳替えのご相談で、よく聞かれるのが「タンスは先に動かしておいた方がいいですか」ということです。
タンスがあるから畳替えができない、ということはありません。畳を順番に上げながら動かせる場合も多いため、まずはそのままの状態を見せてください。ただし、畳のへこみ対策と家具の転倒対策は別の話です。背の高い家具は、畳への傷より人の安全を優先して設置します。
先に結論をまとめると、脚付き家具は荷重を分散し、底面が広い家具は湿気をためないことが大切です。新聞紙や段ボールを全面に敷きっぱなしにする方法はおすすめしません。
畳の上にタンスは置けます。ただし安全が先です
畳は、家具を置けないほど弱い床材ではありません。けれども、重さが同じでも、細い脚に集中するか、広い底面で支えるかによって跡の残り方は変わります。
特に注意したいのは、背の高いタンスです。へこみを減らすために不安定な台へ載せると、かえって転倒しやすくなります。寝る場所や出入口の近くを避け、家具の説明書や公的な防災案内に沿って壁の下地へ固定するなど、転倒防止を優先してください。
家具の形で、下に敷く物を変えます
脚付きのタンス・棚
細い脚の下には、脚より広く、十分な強度がある家具用の敷板を使います。4本とも同じ厚みで支え、家具が傾かないことを確認してください。柔らかいフェルトだけでは擦れは減らせても、重さを広い範囲へ逃がす効果は限られます。
底面が広い和ダンス
底面が広い家具は荷重が分散しやすい一方、畳と家具の間に空気が通りにくくなります。外壁側や北側、水回りに近い和室では、家具の背面と壁際にも湿気が残ることがあります。
キャスター付きの収納
小さなキャスターへ重さが集中すると、畳目を傷めたり深い跡が残ったりします。畳の上で引きずらず、固定して使う場合は荷重を分散できる専用品を選びます。移動のしやすさだけで選ぶと、畳表を切ってしまうことがあります。
| 下に敷く物 | 考え方 |
|---|---|
| 家具用の硬い敷板 | 脚より広い物で重さを分散する。家具が水平になることを優先 |
| 厚みと強度がそろった木板 | 条件付きで使用可能。割れや滑りがないか確認 |
| 薄いフェルト | 擦れ対策にはなるが、重い家具のへこみ対策には不十分 |
| 新聞紙・段ボール | 湿気を含みやすく、長期の敷きっぱなしには向かない |
| カーペット・ゴムシート | 家具の底を広く覆うと湿気や汚れを確認しにくい |
タンスの跡があっても、すぐ新畳とは限りません
家具を動かした跡が浅く、畳床がしっかりしていれば、見た目の問題だけで済むことがあります。畳表を張り替えると整えられる場合もあります。
一方、次のような状態は畳表だけの問題ではないかもしれません。
- 踏むと家具の周囲まで深く沈む
- 畳床がつぶれ、家具が傾いている
- 黒・白・緑色の斑点とカビ臭さがある
- 畳の裏側や床板が湿っている
- 家具の近くだけ畳の隙間が大きい
畳床まで傷んでいれば新畳、畳床が使えれば補修して表替え、という判断になります。表面だけでは決められないため、青畳工房では畳を上げ、裏側と床板まで確認します。詳しくは畳が沈む・ふかふかするときの確認点もご覧ください。
タンスの下だけ緑色でも、カビとは限りません
家具の下は日が当たらないため、周囲より日焼けが進まず、元の青みが残ることがあります。色が違うだけなら、それをカビと決めつける必要はありません。
見分けるときは、色だけでなく、斑点の出方、湿り、臭い、表面の毛羽立ちを一緒に見ます。広い範囲へ変色があり、カビ臭さや湿りも感じる場合は、強くこする前に写真を撮ってください。
畳替えの日に、お客様へお願いしたいこと
一般的なタンスや座卓は、畳を順番に上げながら移動できることがあります。事前に別室まで運ぶ必要はありません。
ただし、次の物は先に外していただくと安全です。
- タンスの上の割れ物、額、置物
- 貴重品と精密機器
- 棚から落ちやすい小物
- 極端に重くなる着物、本、食器などの中身
ピアノ、金庫、大型仏壇、造り付け家具は通常のタンスと同じようには動かせません。畳替えの前に写真を見せてください。家具移動の流れは畳替えでタンスや家具は動かしてもらえる?で詳しく説明しています。
相談するときは、家具を動かす前の写真で大丈夫です
次の4点が分かると、訪問前にも状況をつかみやすくなります。
- 和室全体とタンスの位置
- タンスの脚または底面
- 見えているへこみ・変色・隙間
- お住まいの市町村と畳の枚数
写真だけで表替えか新畳かを断定はできませんが、家具の動かし方や現地で確認する場所はお伝えできます。
よくある質問
タンスの下に新聞紙を敷いてもよいですか?
長期間の敷きっぱなしはおすすめしません。新聞紙は湿気を含みやすく、破れやほこりで畳の状態も見えにくくなります。
へこみに濡れタオルやアイロンを使ってもよいですか?
水分と熱で畳表が変色したり、内部へ湿気が残ったりする可能性があります。畳表と畳床のどちらがへこんでいるか分からないため、自己判断で熱や水を加えない方が安全です。
家具がある部屋でも見積りできますか?
できます。家具の種類と位置を確認し、こちらで動かせる物、事前の準備が必要な物を分けてお伝えします。
家具のある和室も、そのままご相談ください
「全部片付けてから電話しないといけない」と考えなくて大丈夫です。六代目・古賀隆夫が家具と畳の状態を確認し、使える畳床は補修しながら表替えできるか、新畳が必要かを理由と一緒にお伝えします。
お急ぎの方は 0120-743-443(通話無料)へお電話ください。


