「国産畳表はもう無い」は誤りです。生産量は大きく減っていますが、熊本県を中心に今もい草が育てられ、畳表が織られています。ただし「国産」という言葉だけで品質が決まるわけではありません。誰が、どこで育て、どのようない草で織った畳表かまで確認することが大切です。
熊本県産畳表は今も生産されています
農林水産省によると、令和7年産の熊本県のい草は、作付面積242ha、収穫量3,630tです。令和6年7月から令和7年6月までの畳表生産量は103万枚でした。前年より27%減少しており、厳しい状況であることは事実です。
| 令和7年産・熊本県 | 公表値 | 前年からの変化 |
|---|---|---|
| 作付面積 | 242ha | 24%減 |
| い草収穫量 | 3,630t | 27%減 |
| 畳表生産量 | 103万枚 | 27%減 |
生産が減っているからこそ、数字を大きく見せたり「もう手に入らない」と不安をあおったりするのではなく、現在入手できる畳表を正直に説明する必要があります。
「国産」と「熊本県産畳表」は何を意味するのか
農林水産省は、畳の原料となるい草のほとんどが熊本県で生産されていると案内しています。また「くまもと県産い草」「くまもと県産い草畳表」は、地理的表示(GI)保護制度に登録されています。
ただし、店頭で「国産です」と言われただけでは、畳表の違いまでは分かりません。畳替えでは次の点を確認してください。
- い草の産地と生産者
- 畳表の品種、等級、織り方
- 縦糸が綿か、麻か、麻綿か
- い草の長さと、表面に使われる部分
- 産地証明や生産者情報を見せてもらえるか
同じ熊本県産でも品質と価格が違う理由
畳表は、い草を横糸、綿糸や麻糸などを縦糸として織ったものです。長いい草の中央部分を多く使い、目が揃って密度のある畳表は、年数が経ったときの色合いや表面の傷み方にも差が出ます。
新品の写真だけでは分かりにくいため、価格だけでなく、実物の見本を触り、畳表の厚み、目の詰まり、い草の揃い方を比べることをおすすめします。
青畳工房が中国産い草を使わない理由
青畳工房は、天然い草の畳表に中国産を使用しません。安いか高いかだけでなく、誰が作ったのかも分からない畳表を、お客様へ十分な説明なしに勧めたくないからです。
熊本県の生産者、畳表の特徴、使う部屋との相性を確認し、分かる範囲を正直にお伝えします。ただし、国産なら何でも同じではありません。使用頻度の低い客間と、毎日使う居間では、必要な畳表のランクも変わります。
畳店へ聞くと判断しやすい5つの質問
- この畳表はい草の産地と生産者が分かりますか
- この部屋の使い方なら、なぜこの畳表が合いますか
- 一つ下・一つ上のランクと何が違いますか
- 数年後にどのような色と傷み方になりますか
- 表替えでよいですか。それとも畳床の交換が必要ですか
よくある質問
国産畳表はすべて熊本県産ですか?
熊本県が国内生産の中心ですが、「国産」と「熊本県産」は同じ表示ではありません。見積り時に産地と生産者情報を確認してください。
高い国産畳表ほど、どの部屋にも向いていますか?
いいえ。部屋の使用頻度や家具、日当たり、予算によって適するランクは変わります。高いものを一律に勧めるのではなく、使い方に合うかで判断します。
国産い草と和紙畳は、どちらがよいですか?
香りや自然な風合いを優先するなら国産い草、色の選択肢や変色の少なさを重視するなら和紙畳が候補です。暮らし方で答えが変わります。
青畳工房では、熊本県産畳表の見本を比べながら説明します。見積りだけでも大丈夫です。写真からでも、今の畳で確認する点をお伝えできます。


