畳の上にこたつを置いても大丈夫?へこみ・熱・湿気を防ぐ使い方

畳の上にこたつを置くこと自体は珍しくありません。ただし、冬のあいだ同じ位置へ置き続けると、細い脚の跡が残ったり、こたつ敷きの下で飲みこぼしや湿気に気づくのが遅れたりします。畳を傷めにくくする話と、電気こたつを安全に使う話は分けて考えます。

置く前に見るのは、脚・熱源・敷物です

ここで扱うのは、畳の上へ置く一般的なテーブル型の電気こたつです。掘りごたつ、豆炭こたつ、床暖房やホットカーペットとの併用は、作りと注意点が異なります。

箱から出してすぐ布団を掛ける前に、こたつの脚が平らか、コードを脚で踏まない位置に出せるか、畳との間へ何を敷く予定かを見ます。去年まで使っていたこたつなら、コードの折れ、傷、プラグのがたつきも先に見てください。

畳側では、表面が乾いていること、脚を置く場所へ大きな段差がないことを確かめます。すでに湿った臭いがする畳へ敷き布団を重ねると、その後の変化が見えなくなります。

こたつの脚跡は、重さより接する面積で変わります

同じこたつでも、太く平らな脚と、先が細い脚では畳へ掛かる力が違います。天板、こたつ本体、布団、上に置く物の重さが、4本の脚へ集まるからです。

細い脚の下には、こたつ用として安定する広めの保護板や脚受けを使うと、力を分散できます。4か所とも同じ厚みで、滑りにくく、脚が受けの中央へ収まる物を選びます。厚紙を何枚も重ねる、柔らかいクッションを脚の下へ入れると、ぐらついたり外れたりするため向きません。

畳を守るつもりで、こたつを少しずつ引きずって位置を変えるのも避けたい使い方です。畳表が擦れ、縁なし畳なら角へ力が掛かります。移動するときは電源を切り、天板の上を空にして、持ち上げられる人数で行います。

脚の跡が残ったとき、熱湯やスチームをかけて戻そうとしないでください。天然い草、和紙製、樹脂製では熱や水分への反応が違い、表面だけでなく畳床を傷めることがあります。へこみの深さと畳床の状態を見てから対処を決めます。

電気こたつの安全は、畳より取扱説明書が先です

こたつのヒーターやコードについては、畳店の一般論より、その製品の取扱説明書を優先してください。使用できる布団、敷物、他の暖房器具との併用、コードの固定方法は機種によって違います。

製品評価技術基盤機構(NITE)は、電気こたつの事故を防ぐ注意事項として、布団をやぐらの中へ押し込まないこと、コードを取扱説明書どおりに固定すること、脚や敷物でコードを踏まないことなどを案内しています。

こげた臭いがする、コードやプラグが異常に熱い、コードを動かすと電源が入ったり切れたりする場合は、使用を止めます。テープを巻くなど自分で修理せず、製造元や販売店へ相談してください。

電気カーペットをこたつ敷きに使う場合は、畳の上でホットカーペットを使うときの注意点も確認してください。対応するこたつや家具、重ねられる敷物は、電気カーペット側の説明書にも従います。

こたつ布団の下は、汚れを見落としやすい場所です

こたつが畳を直接湿らせる、という単純な話ではありません。冬でも、結露の多い部屋、加湿器を強く使う部屋、飲み物をこぼした場所では、こたつ敷きや布団に隠れて水分が残ることがあります。

特に見落としやすいのは、布団の端、座る位置、こたつ敷きの裏です。食べこぼしや髪の毛も集まり、敷いたままでは掃除機が届きません。

掃除をする日は、電源を切り、本体が冷めてから布団と敷物を上げます。畳の目に沿ってほこりを取り、次の変化がないかを見ます。

  • こたつ敷きの裏がしっとりしている
  • 畳に黒、青緑、白っぽい点が出ている
  • 敷物の下だけ湿った臭いがする
  • 飲みこぼした場所が輪染みになっている
  • 脚の周りだけ畳が大きく沈んでいる

湿りがあれば、乾くまで同じ敷物を戻さず、部屋の換気や除湿をします。カビらしき点や強い臭いを消臭スプレーで隠すと、範囲が分かりにくくなります。畳の上へ敷物を長く置く場合の変色や掃除は、畳の上へ敷物を敷きっぱなしにするデメリットで詳しく説明しています。

飲み物をこぼしたら、こたつ敷きの下まで見ます

飲み物をこぼしたときは、電気部分の扱いを取扱説明書に従って止め、まず布や紙で上から水分を吸い取ります。強く擦ると、汚れを畳の目へ広げます。

こたつ敷きだけ乾かして終わらせず、その下の畳も見てください。畳まで濡れていれば、乾いた布で押さえ、風を通します。電源コード、プラグ、コントローラー、ヒーターへ水分が掛かった場合は、乾いたように見えても自己判断で再使用せず、製造元へ確認します。

水分が畳床まで入ったかは、表面の染みだけでは決まりません。翌日以降も臭いが残る、畳が反る、踏むと感触が変わったときは、畳を上げて中を見た方がよい状態です。

春に片付けるとき、脚跡と色の差を見てください

こたつを外すと、脚の四隅だけへこみ、敷物の下と周囲で色が違って見えることがあります。天然い草は光が当たった部分から少しずつ色が変わるため、敷いていた部分との境目が残ることがあります。これは汚れとは限らず、掃除で同じ色へ戻るものでもありません。

浅い脚跡、畳表の擦れ、畳床まで及ぶ沈みは、同じ「へこみ」に見えても工事が違います。畳表だけの傷みなら表替えが候補になりますが、畳床が潰れて戻らない場合は補修や新畳を考えます。家具の脚による荷重の考え方は、畳の上にタンスを置くときのへこみ対策も参考になります。

異常の場所で、相談先を分けます

気になる状態先に相談する相手
コードの傷、異常な熱、こげた臭いこたつの製造元・販売店
畳表の擦れ、脚跡、敷物下の変色畳店
畳を外しても床板が沈む、床下から異音がする工務店・大工を含めて検討
水漏れや結露が続いている水分の原因を直す業者を先に確認

電気製品の異常を、畳替えで解決することはできません。反対に、こたつを外したあとも畳の沈みや臭いが残るなら、製品だけを片付けても畳の中は分かりません。

畳の状態を見てほしい場合は、こたつを外した部屋全体、4本の脚跡、こたつ敷きの下を撮ってください。写真をLINEで送っていただければ、表面の手入れで済みそうか、畳床まで見るべきかをお伝えします。

この記事を書いた人
畳マン六代目

青畳工房 六代目の古賀隆夫です。1982年生まれ、一級畳製作技能士。創業170余年の畳店を受け継ぎ、佐賀市水ヶ江を拠点に畳替えを行っています。

国産い草にこだわり、畳の状態を確認して、表替えで済むか新畳が必要かを正直に判断します。家具移動や素材選びも、六代目本人がご相談から施工まで対応します。

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