畳替えの安売りチラシ・電話営業で後悔しないために|「○円から」の見積りで確認する7項目

畳替えの安いチラシを見つけた。電話で勧められ、そろそろ替えてもよいかと思った。でも、この値段で本当に頼めるのか、あとから高くならないかが気になる。

安い価格や電話営業だけで、よい店かどうかは決まりません。まず確かめたいのは、広告の価格でどの畳表を使い、どこまで工事をして、最終的にいくらになるのかです。

青畳工房六代目、一級畳製作技能士の古賀隆夫です。広告を見て畳替えを考えたときに、見積りで聞いておきたいことをお話しします。

「表替え○円から」を見つけたら、先に適用条件を確認します

見積りに来てもらう前に、希望する枚数や地域でも広告の商品を頼めるかを聞いておくと、話の行き違いを減らせます。対象枚数、材料、募集期間や人数などの条件があるか、希望する工事が対象かを確かめてください。

安いことではなく、内容が分からないことが問題です

広告の値段で希望に合う工事ができるなら、それは選択肢の一つです。ただ、一枚の単価だけでは、使うい草が国産なのか中国産なのか、畳縁や補修まで含まれるのかは分かりません。

「国産畳○枚」と書かれていても、畳表の商品や産地、誰が作ったものか、品質や織りの違いまで分かるとは限りません。広告は入口として見て、実物の見本と工事の説明を確かめてください。

値段の違う見本を勧められること自体が、問題なのではありません。どこが違うのかを聞いたうえで選べることと、安いものを希望しても内容が分からないまま別の商品に話が進むことは、違います。

これまで青畳工房へ寄せられた相談

私のところでは、電話や訪問で勧められた話より、安売りチラシを見て見積りを頼んだあとの相談を多く伺います。次は、それぞれ別に寄せられた相談です。

お客様から、安いチラシを見て見積りを頼んだ際に、畳へマジックで何かを書かれたというご相談を受けたことがあります。

別のご相談では、畳縁の一部を切り取られ、畳替えを急がざるを得なくなったというお話がありました。

また別に、広告の安い商品を希望したところ、その商品はキャンペーン人数に達したと説明され、何倍も高い商品を提示されたというご相談もありました。

いずれも、お客様から伺った話です。私がその場に立ち会ったわけではなく、相手がどういう意図で行ったかまでは分かりません。ただ、見積りを聞きたい段階で、断りにくくなったり、急いで決めなければと思ったりするのは、お客様にとって困ることです。

施工後の相談では、新畳にしたのに指が入るほどの隙間が残り、施工店からは家が曲がっているためだと説明されたというお話もあります。別のお客様からは、表替え後の寸法が合わず、別の家の畳ではないかと思うほどだった、というご相談もありました。実際に別の家の畳だったと確認した話ではありません。

畳は、部屋の形に合わせて作り、納めるものです。だからこそ、今ある隙間やへこみをどう扱うかまで、見積りのときに聞いておきたいのです。施工で行う調整については、畳屋の選び方と仕事の違いでも紹介しています。

見積りで畳へ手を加える前に、目的を聞いてください

畳を上げて中を見ることと、印を付けたり畳表や畳縁を切ったりすることは別です。見積りだから当然必要だと思わず、作業の目的と、注文しない場合も今までどおり使えるかを先に聞いてください。説明が分からなければ、作業を待ってもらって構いません。

まだ使える畳床か、畳を上げて確かめます

「古い畳だから、全部新しくしましょう」と言われたときは、どこが傷んでいて、表替えではなぜ使えないのかを聞いてください。年数や表面の見た目だけで、新畳と決まるわけではありません。

私が見るところの一つに、畳の中身に当たる「畳床(たたみどこ)」を縫い締めている床糸があります。人がよく歩くところでは、この糸が切れていることがあります。切れた範囲や畳床全体の状態を見て、補修して再利用できるかを判断します。

一部の糸が切れているだけなら、直ちに新畳と決めることはありません。一方、畳床が腐っている、シロアリに食われて傷んでいるといった場合は、新畳への入れ替え対象になります。

表替えできるものを残すにも、使えないものを見分けるにも、畳を上げて見る必要があります。畳の中身については、畳床の種類と、今の畳床を使えるかの確認をご覧ください。

見積りのときに聞いておきたい7項目

専門用語を覚えてから頼む必要はありません。次のように聞けば、工事の内容が分かりやすくなります。

1.見本の違いを説明してもらえるか

「この畳表と、こちらの畳表は何が違いますか」と聞いてみてください。価格順に並べるだけでなく、い草や織り、手触り、使う部屋との相性まで説明してもらえるかを見ます。

い草の色は、育った田んぼや織った時期などでも変わります。青さや色のそろい方だけで品質を決めず、見本に触りながら違いを聞いてください。

2.使用する材料がはっきりしているか

国産なら必ず高品質、というわけではありません。い草の質や選別、織り、畳表の状態、施工内容も見ます。「国産です」という説明だけで終わらず、どの畳表を使う見積りなのかを確かめます。い草の産地や生産者、商品の情報が分かれば、見本との対応も確認しやすくなります。

青畳工房では、中国産い草は使いません。国産の中でも実物を確かめて仕入れ、見本を見ていただいています。材料の違いを知ったうえで、ご予算や使い方に合うものを選んでいただきたいと考えています。

3.表替えか新畳か、その理由が分かるか

「今の畳床は使えますか。使えないなら、どこが傷んでいますか」と聞きます。新畳の見積りなら、表替えでは直せない理由も確認してください。

店によって判断が違った場合は、まず、見ている傷みと提案する補修の内容を確かめます。同じ畳を見ても、何を直すつもりなのかが違えば、見積りも変わります。

4.隙間やへこみをどう直すか

壁際の隙間、家具の跡、歩くと気になる段差は、見積り時に伝えます。表面を張り替えるだけなのか、畳床の補修や寸法調整も行うのかを聞いてください。

踏んだときの沈みは、畳の下の床板が原因のこともあります。畳替えで直す部分と、床板側を直す必要がある部分を分けて説明してもらうことが大切です。

5.家具は誰が、どこまで動かすか

タンスやベッドがある場合は、家具移動を頼めるか、別料金か、自分で片付けるものは何かを確認します。小物や割れ物の片付けと、大きな家具の移動は分けて聞くと分かりやすいです。

6.引き取りと納品はいつか

朝預ければ夕方に戻るのか、数日預けるのか。工事日だけでなく、畳がなくて部屋を使えない期間を確認します。寝室にしている部屋なら、特に先に決めたいことです。

希望の日があれば、見積りの段階で伝え、引き取り日と納品日を両方聞いてください。

7.追加費用と、支払う総額が分かるか

材料、畳縁、補修、家具移動、引き取り・納品、古畳の処分など、どこまで含む金額かを確認します。すべての工事で、これらが別料金になるという意味ではありません。

追加になる可能性があれば、どんな場合に、何の費用がかかるのかを聞きます。広告の商品が対象外なら、該当する条件は何か、ほかに選べる商品はあるか、代わりの商品では何が変わるかを聞いてください。材料と工事内容、税込総額が分かってから選べばよいのです。

相見積りでは、違うところを一つずつ聞く

合計金額だけを見て、一方が高すぎると判断するのは難しいことがあります。畳表が違うのか、一方は新畳なのか、補修や処分費が含まれるのか。差の理由を確かめると、比較しやすくなります。

見積書に「畳替え一式」とだけ書かれていて分からなければ、使う材料と工事の内訳を聞いてください。説明を受けても迷うなら、分からない点を残したまま、その場で決める必要はありません。見積書を手元に残し、内容を確かめてから考えてよいと思います。

見積書全体の見方は、畳替えの見積りで確認する項目にもまとめています。

畳を預ける日数も、店によって違います

遠方から来る業者の中には、その地域の複数のお宅から畳をまとめて預かり、後日まとめて納める方法を取るところもあります。その営業方法自体が悪いわけではありませんが、希望日に工事ができない場合や、畳が数日戻らない場合があります。朝引き取り・当日夕方納品か、数日後の納品か、部屋に畳がない期間を契約前に確かめてください。

青畳工房では、表替えは基本的に1日1部屋、6~8畳程度を朝にお預かりし、夕方に納めています。畳の状態、補修の量、部屋数などで変わるため、日程はお見積りのときにご相談します。

同じ金額でも、部屋を使えない期間が違えば、暮らしへの影響は変わります。来客や介護などの予定がある方は、材料と一緒に日程も確かめてください。

安売り広告や見積りで、よくある質問

電話営業の畳屋は、すべて避けるべきですか?

営業方法だけでは判断できません。材料、工事内容、費用、納期を説明してくれるか、納得してから注文できるかを確かめてください。

広告の「表替え○円から」で施工できますか?

その価格の対象となる材料や工事条件によります。対象外になる条件と、追加費用を見積り時に聞いてください。

表替えか新畳かは、誰が判断しますか?

畳店が畳床の状態を確かめ、必要な工事と理由を説明します。内容と見積りを確認したうえで、注文するかをお客様に決めていただきます。

相見積りでは、何を比べればよいですか?

畳表などの材料、表替えか新畳か、補修や家具移動、追加費用、納期を比べます。条件の違いを確かめてから総額を見てください。

見積りのときに畳へ印を付けたり切ったりする必要がありますか?

畳を上げて状態を見ることと、畳へ印を付けたり畳縁を切ったりすることは別です。作業の目的と、注文しない場合も今までどおり使えるかを事前に聞いてください。説明に納得できないまま、手を加えてもらう必要はありません。

朝預ければ、その日に戻りますか?

青畳工房の表替えは、朝預かり・夕方納品が基本です。補修量や枚数などで変わるため、ご希望の日程を先にご相談ください。

その場で決めず、見本と今の畳を見てから選べます

広告を見て、そろそろ畳替えをと考え始めた段階でも構いません。佐賀県と福岡県の対応地域へ、私が見本を持って伺い、今の畳が表替えで使えるかを確かめます。

見本選び・現地見積りのご相談

正式な金額は、畳の状態と実物の見本を確認してお見積りします。工事内容と金額をご説明してから、頼むかどうかをお決めいただけます。お住まいの市町村、畳の枚数、ご希望の時期をお知らせください。写真があれば事前のお話に役立ちますが、写真がなくてもご相談いただけます。

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この記事を書いた人
畳マン六代目

青畳工房 六代目の古賀隆夫です。1982年生まれ、一級畳製作技能士。創業170余年の畳店を受け継ぎ、佐賀市水ヶ江を拠点に畳替えを行っています。

国産い草にこだわり、畳の状態を確認して、表替えで済むか新畳が必要かを正直に判断します。家具移動や素材選びも、六代目本人がご相談から施工まで対応します。

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畳替えの注意点