畳のくずが服につく・ささくれる原因は?掃除と裏返し・表替えの判断

畳に座ると服や靴下に細かいくずが付く。掃除機をかけても、しばらくするとまた出てくる。そんなときは、掃除だけで何とかしようとせず、畳の表面の傷みを確認してみてください。

掃除で落ちたくずを取り除くことはできますが、ささくれた畳表そのものは直りません。基本は表替えで対処し、状態によっては裏返しを検討できます。

佐賀市水ヶ江の青畳工房、六代目の古賀隆夫です。ここでは、い草の畳からくずが出る原因と、手入れでできること、畳替えが必要になる場合をお話しします。

新しい畳でも、い草が擦れやすい場合があります

ささくれは、古い畳だけの問題ではありません。新しい畳でも、使われている畳表の品質によって擦れやすい場合があります。

見るのは、い草をどれくらい密に織っているか、一本一本の粒がそろっているか、い草の表皮がしっかりしているかです。織りの密度が低く、粒揃いが悪く、表皮も弱い畳表は、擦れて傷みやすくなります。

「まだ新しいから傷まない」「安かったから仕方がない」と、年数や価格だけで決めることはできません。産地だけでも品質は決まりません。畳表自体の品質と、日々の摩擦や手入れの仕方を分けて考える必要があります。

ささくれがあるからといって、お手入れが悪かったと決めつけるものではありません。

なお、新しいい草の畳に残る白い粉と、擦れて出るい草のくずは別です。白い粉が気になる場合は、新しい畳のお手入れ・白い粉についてをご覧ください。

掃除でくずは取れても、ささくれは直りません

掃除機や箒で、落ちたくずを取り除くことはできます。ただ、すでに傷んでいるい草の表皮が元に戻るわけではありません。

「取ってもまた服に付く」というときに、掃除機の力を強くしたり、何度も押し付けたりするのは避けてください。掃除はくずを取り除くために行い、ささくれた部分は裏返しや表替えで対処します。

一方で、日頃の掃除の仕方によって、ささくれの発生や傷みを抑えることはできます。

掃除機は弱で、畳の目に沿ってゆっくり

い草の畳には、次のような掃除をお伝えしています。

  • 掃除機の吸引力は「弱」にする。
  • 畳の目に沿って動かす。
  • 縁から縁まで、約5秒かけてゆっくり動かす。
  • 力を入れて押し付けない。
  • 箒も使う。

約5秒は、ゆっくり動かす速さの目安です。力を入れず、畳の目に沿ってかけてください。

箒を使うときも、畳の目に沿ってやさしく掃きます。

素足で暮らすことについて

私は、素足で生活すると、人の脂がい草の表面をコーティングするとお伝えしています。畳を見てきた経験に基づくお話で、必ずささくれを防げる、傷んだ表皮が直るということではありません。

粘着ローラーやボンドで抑えないでください

服に付くくずを見て、畳にも粘着ローラーをかけたくなるかもしれません。ただ、粘着ローラーはい草の表皮を壊してしまうため、畳の掃除には使わないでください。

また、浮いたささくれをボンドで貼り付ける方法もおすすめしません。ボンドが内部へ染み込み、後で表替えをするときに、土台の畳床を傷める原因になります。

掃除で直らないからといって、貼り付けて抑える前に、畳表を替える方法を考えましょう。

基本は表替え。状態によっては裏返しも選べます

表替えは、土台を残して畳表を替える工事です

ささくれや衣服へのくずの付着には、基本的に表替えで対処します。表替えは、今ある土台の「畳床」を使い、表面の「畳表」を新しくする工事です。

表面にささくれがあるだけで、畳床ごと新しくする必要はありません。畳床が使える状態かを確認して判断します。表面の傷みと、土台の傷みは別に見ます。

年数が経ちすぎず、シミがなければ裏返しを検討できます

表面にささくれがあっても、年数が経ちすぎておらず、食べこぼしなどのシミができていなければ、裏返しを選べる場合があります。

裏返しは、今の畳表を外して、その裏面を表にして張り直す工事です。畳そのものを上下にひっくり返して使うことではありません。

「何年以内だから必ずできる」とは決めず、畳表の裏面を使えるか、実際の状態を確認します。

工事の違いは、表替え・裏返し・新畳の説明でもご覧いただけます。

上敷きやカーペットで隠す前に

上に何か敷けば、傷んだ表面はいったん見えなくなります。ただ、下にある畳表のささくれが直るわけではありません。

青畳工房では、くずが出る畳を上敷きやカーペットでその場限りに覆うより、今の畳を確認して、裏返しや表替えで直すことをおすすめしています。

「全部新しくしないといけないのだろうか」と思う前に、表面だけを替えられるか、裏面を使えるかを確かめましょう。

よくある質問

まだ新しい畳なのに、くずが出ることはありますか?

あります。い草の畳表は、織りの密度や粒揃い、表皮の強さによって擦れやすさが違います。新しいという理由だけで、ささくれが起きないとはいえません。

掃除を続ければ、ささくれはなくなりますか?

落ちたくずは取り除けますが、できたささくれは掃除では直りません。掃除機は弱で、畳の目に沿ってゆっくり動かし、傷んだ畳表は裏返しや表替えを検討します。

ささくれている畳でも、裏返しできますか?

年数が経ちすぎておらず、食べこぼしなどのシミがなければ選べる場合があります。裏面を使える状態か、畳を見て判断します。

服にくずが付くなら、新畳にする必要がありますか?

ささくれだけで新畳とは決まりません。畳床が使えるなら、土台を残す表替えが基本です。畳表と畳床、それぞれの状態を確認します。

「掃除しても服に付く」と、そのままお話しください

青畳工房では、六代目の私が状態を確認し、裏返しができるか、表替えがよいかをご説明します。

写真があれば、くずが出ている部分を、無理なく撮れる範囲でお見せください。写真がなくてもご相談いただけます。撮影のために畳を持ち上げたり、重い家具を動かしたりする必要はありません。

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この記事を書いた人
畳マン六代目

青畳工房 六代目の古賀隆夫です。1982年生まれ、一級畳製作技能士。創業170余年の畳店を受け継ぎ、佐賀市水ヶ江を拠点に畳替えを行っています。

国産い草にこだわり、畳の状態を確認して、表替えで済むか新畳が必要かを正直に判断します。家具移動や素材選びも、六代目本人がご相談から施工まで対応します。

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