畳表の種類は写真で分かる?い草・和紙・樹脂の見分け方と同じものを選ぶ方法

今の畳と同じように仕上げたい。でも、何という畳表なのか分からない。そんなときは、商品名を調べてから相談する必要はありません。

畳の表面に張る「畳表(たたみおもて)」は、写真でも素材や織り方をかなり判断できます。商品まで分かる場合もありますが、似た色の区別や天然い草の品質は、現物を見て確かめたいところです。

佐賀市水ヶ江の青畳工房六代目、古賀隆夫です。一級畳製作技能士として、私が写真で見るところと、実際に伺って確認するところをお話しします。

写真で分かること、現物を見て確かめること

角度や光の入り方が適切なら、天然い草か、和紙・樹脂などの畳表かは、写真でもほとんど判断できます。織り方や、畳の両端に付く布「畳縁(たたみべり)」も手がかりになります。

一方、商品名や色番号まで分かるかは、写り方と材料によります。写真から候補が分かることと、その材料で施工すると決めることは別です。

確認したいこと写真での見立てと、その後の確認
天然い草か、それ以外か光沢、素材感、擦れ方、汚れ方を見ます
織り方畳目が鮮明なら、引目・目積などを判別できます
和紙・樹脂の商品や色メーカーや色番号まで分かる場合もあります。似た色は現物と見本で照合します
畳縁の品番鮮明な近接写真なら、ほとんどの場合、品番まで判断できます
い草の産地や品質表面写真だけで断定せず、経糸や原料、織りなども確かめます

表替えは畳表を新しくする工事で、畳の中身に当たる畳床は再利用します。畳床まで替える新畳とは違います。工事の違いは、表替え・裏返し・新畳の説明をご覧ください。

い草・和紙・樹脂は、色以外のところも見ます

緑色だから天然い草、という見分け方はできません。和紙や樹脂にも、い草に似た色があります。

私が写真を見るときは、表面の光沢や素材感に加え、使ってきた畳なら、擦れた部分や汚れた部分も確認します。和紙・樹脂などの化学畳表には、天然い草とは異なる見え方があります。一つの特徴だけで決めず、いくつかを合わせて見ます。

和紙系の例では、ダイケン「健やかおもて」は機械すき和紙をこより状にして樹脂で覆い、織った畳表です。樹脂系のセキスイ「MIGUSA」は、ポリプロピレンという樹脂と炭酸カルシウムを配合した材料を使っています。和紙系と樹脂系は同じ素材ではありません。

写真が鮮明なら、メーカーや商品、色番号まで判断できる場合もあります。ただ、よく似たグリーン系などは迷うことがあります。照明や反射、カメラの色補正で、実物とは違って写るためです。

新しく選ぶ際の使い方や手入れの違いは、い草・和紙・樹脂畳表の特徴と選び方にまとめています。

畳目の織り方と、畳縁も手がかりになります

畳表には「引目(ひきめ)」「目積(めせき)」などの織り方があります。目積は細かな目の織り方です。畳目が分かる写真があれば、こうした織り方も判別できます。

ただし、織り方が分かっても、それだけで商品のすべてが分かるわけではありません。素材や色、使われているい草なども見ていきます。

畳縁を同じものにしたい場合は、縁を近くから撮った写真が役立ちます。柄がはっきり写っていれば、品番まで判断できることが多いです。畳表だけでなく、縁も一緒に確かめると、今の部屋の雰囲気を残す相談がしやすくなります。

国産・中国産は、表面だけで断定しません

産地を判断するとき、私が見るものの一つが「経糸(たていと)」です。い草を織り留めている糸のことで、縦糸ともいいます。ただし、以前の施工方法によっては、畳表を外す前には確認できないことがあります。

畳目の詰まり方や織りの丁寧さを見て、中国産かもしれないと見立てることはあります。畳表を外し、経糸などを確認すると、その見立てと一致することも多いです。それでも、表面だけを見た段階では産地を断定しません。

お客様が写真の色や目の詰まりだけで判断するのは難しいところです。「この糸なら必ず国産」と一つの特徴に置き換えるのではなく、複数の材料を確かめて判断します。

同じ天然い草でも、まったく同じ色にはなりません

天然い草は、生産者、収穫された年、育った田んぼ、品種によって違います。原料の選別や織りでも、畳表の仕上がりは変わります。

同じ生産者、同じ規格の商品を選べても、今ある畳と色や質感が完全に一致するとは限りません。これは、同じ商品や近い規格を探せないという意味ではありません。商品をそろえることと、天然素材の色や質感を完全にそろえることを分けて考えます。

一枚だけ替える場合は、残す畳の日焼けや使用による色差もあります。畳を1枚だけ交換する場合の色差や注意点も参考にしてください。

廃番だったら、何が近い畳表かを考えます

以前頼んだ店や商品資料が分からないとき、同じ商品がすでに廃番になっているときは、今の畳表を見ながら近いものを探します。

確認するのは、天然い草か化学畳表か、織り方、経糸の種類、い草の太さや選別の状態、赤く枯れたい草の混じり方などです。今の畳表に近い品質や耐久性も考え、見本と比べます。

どの部分を残したいかも大事です。色合いなのか、畳目の見え方なのか、手触りなのか。今の畳で気に入っているところを教えていただけると、代わりの畳表を選ぶときの手がかりになります。

八代産の極太い草を使った、絶版の畳表もあります

現在は絶版になっているものに、八代産の極太い草を使った強力畳表があります。このように、今使っているものが一般的な畳表とは限らず、同じものを新たに用意できない場合もあります。

現地見積りで伺ったとき、あまり見かけない畳表に出会うことがあります。お客様は珍しいものとは知らず、普通の畳表だと思って使われていることもあります。普段使っている畳表も、現物を見て特徴を確かめます。

赤いい草があるかどうかだけで、品質は決まりません

価格を抑えた畳表では、比較的短いい草が使われることが多くあります。短いい草は新芽と古芽が混ざりやすく、太さもそろいにくいため、擦れやすさや色むら、赤く枯れたい草の混じり方に違いが出る場合があります。

とはいえ、赤いい草が一本あるから悪い、青く見えるから良い、とは判断できません。私は、い草の長さや太さ、選別、織り、経糸を合わせて見ます。写真の色だけで結論を出さず、実物で見る畳表の品質の違いも見本選びの参考にしてください。

写真は、部屋全体と畳表の近くを

写真を送れる場合は、次の場所が写っていると確認しやすくなります。

  • 部屋全体:どこに、どのような畳が敷かれているか
  • 畳表の近く:素材の表情と織り目
  • 気になる傷みの近く:汚れ、シミ、破れ、擦れを相談したい場合
  • 畳縁の近く:同じ畳縁を探したい場合

近接写真は、模様や織り目にピントを合わせてください。強い反射で表面が見えない場合は、少し角度を変えて撮ると確認しやすくなります。

畳の裏側や側面も、見られれば畳床や厚みを知る助けになりますが、撮影は必須ではありません。重い畳を無理に持ち上げなくて大丈夫です。

青畳工房では施工前に現地見積りへ伺い、今の畳と持参した見本を照合します。写真では迷う色や、手で触れた感じも確かめてから選べます。

よくある質問

商品名が分からなくても、同じ畳表を頼めますか?

はい、ご相談いただけます。写真や現物から材料を確かめ、同じ商品を用意できるかを調べます。廃番の場合は、近い畳表を見本で比べていただきます。

写真だけで、和紙と樹脂や色番号まで分かりますか?

分かる場合もあります。ただ、似たグリーン系や照明の影響で迷う場合もあるため、施工に使う材料は現物と見本で確認します。

同じい草の畳表なら、今の畳と同じ色になりますか?

同じ商品でも、生産者や収穫年、田んぼ、選別などによる違いがあります。残す畳の日焼けもあるため、色や質感が完全に一致するとは限りません。

同じ畳縁も探してもらえますか?

はい。柄が鮮明に写る近接写真が役立ちます。品番まで判断できることが多く、同じものを用意できるかも施工前に確かめます。

裏側の写真がないと相談できませんか?

裏側や側面の写真は必須ではありません。畳を無理に上げず、撮れるところだけで構いません。写真そのものがなくても、文章や電話でご相談いただけます。

今の畳の、気に入っているところをお聞かせください

今と同じようにしたい、織り目を残したい、色は変えてみたい。私が現物と見本を比べ、使う材料と工事内容をご説明します。

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この記事を書いた人
畳マン六代目

青畳工房 六代目の古賀隆夫です。1982年生まれ、一級畳製作技能士。創業170余年の畳店を受け継ぎ、佐賀市水ヶ江を拠点に畳替えを行っています。

国産い草にこだわり、畳の状態を確認して、表替えで済むか新畳が必要かを正直に判断します。家具移動や素材選びも、六代目本人がご相談から施工まで対応します。

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