畳替えの日が決まると、「家具を全部どかさないといけない?」「どこまで片付ければいい?」「一日中、家にいないといけない?」と不安になる方が少なくありません。
先に結論をお伝えすると、和室を空っぽにする必要はありません。タンスや座卓などの大きな家具は、畳を順番に上げながら動かせることが多いためです。
お客様にお願いしたいのは、主に壊れ物・貴重品・細かな小物・持ち運びしやすい物の片付けです。この記事では、創業170余年の青畳工房を継ぐ六代目・古賀隆夫(一級畳製作技能士)が、畳替え前の準備と当日の流れをチェックリスト形式で説明します。
畳替え前の準備チェックリスト
前日までに、次の6点を確認しておけば十分です。全部をご家族だけで動かそうとせず、判断に迷う物はそのまま写真でご相談ください。
- 畳の上にある小物、衣類、新聞、箱などを別室へ移す
- 割れ物、貴重品、精密機器を安全な場所へ移す
- 布団、座布団、カーペットを片付ける
- 家具の上に置いた物を降ろす
- 玄関から和室までの通り道を確保する
- 駐車場所や訪問時間を確認する
重い家具を無理に動かすと、腰を痛めたり、畳・柱・家具を傷つけたりする原因になります。大きな物は、職人が現地で動かし方を判断した方が安全です。
お客様に片付けをお願いしたい物
割れ物・貴重品・思い出の品
花瓶、陶器、ガラス製品、仏具、時計、アクセサリー、現金や通帳などは、事前に別室へ移してください。作業中は家具を少しずつ動かすため、棚の上や引き出しの中で倒れることがあります。
特に、代わりのきかない思い出の品は、お客様ご自身で安全な場所へ移していただくのが安心です。
テレビ・パソコンなどの精密機器
テレビ、パソコン、ゲーム機、オーディオ機器などは、配線や設置状況によって扱いが変わります。持ち運べる物は別室へ移し、大型テレビや複雑な配線がある場合は、事前にお知らせください。
無理に配線を外す必要はありません。部屋全体と機器の周辺が分かる写真があれば、訪問前に対応方法を考えられます。
布団・座布団・カーペット
押し入れの中身まで全部出す必要はありませんが、畳の上の布団、座布団、ラグ、カーペット、電気カーペットは片付けてください。
畳を引き上げると、一時的に畳床の下や床板のほこりが舞うことがあります。寝具は別室へ移すか、袋やカバーで保護すると安心です。
家具の上や周囲にある細かな物
タンスそのものを動かせる場合でも、天板の上に物が載っていると安全に移動できません。本、写真立て、置物、ティッシュ箱、充電器などは降ろしてください。
床に置いた収納ケースや段ボールも、持てる範囲で別室へ移すと、引き上げと納品がスムーズになります。
大きな家具はどうする?
タンス、座卓、仏壇などがあるからといって、畳替えを諦める必要はありません。畳を一枚ずつ外し、空いた場所へ家具を移しながら作業できることがあります。
ただし、家具の大きさ・重さ・中身・設置場所によって対応は異なります。次のような物は、相談時に必ずお知らせください。
- 大型の仏壇、金庫、ピアノ
- 水槽や大型テレビ
- 天井近くまである本棚や婚礼タンス
- 転倒防止金具で固定した家具
- 分解しないと通路を通れない家具
- 中身が非常に重い収納家具
「これは自分で動かすべき?」と迷ったら、動かす前にご相談ください。家具がある部屋での考え方は、家具があっても安心できる畳替えでも詳しく紹介しています。
畳替え当日の流れ
1.到着後に部屋と家具を確認
まず、畳の状態、家具の位置、搬出経路を確認します。表面の傷みだけでなく、沈み、隙間、畳床を再利用できるかも見ます。
表替えか新畳か決まっていない場合も、状態を見てから判断できます。最初から工事内容を決め切る必要はありません。
2.家具を動かしながら畳を引き上げる
大きな家具がある場合は、畳を順番に外して移動スペースを作ります。畳をすべて出した後は、普段掃除できない床板の状態も確認します。
床板の湿気、カビ、虫害などが見つかった場合は、状況をお見せしてから対応を相談します。不安をあおって、その場で不要な追加工事を決めることはありません。
3.工房で畳を仕上げる
表替えでは、畳を工房へ持ち帰り、古い畳表を外し、畳床を点検・補修してから新しい畳表と畳縁を張ります。
青畳工房では、通常は朝にお預かりし、その日のうちに納品します。枚数、畳の状態、特殊加工、天候、予約状況によって変わるため、正確な予定は事前にお伝えします。
作業時間については、6畳和室の表替えスピードとその理由も参考にしてください。
4.敷き込み、調整、家具を戻す
仕上がった畳を元の位置へ敷き、隙間、高さ、畳の向きを確認します。その後、動かした家具を戻し、畳の表面を整えて完了です。
家具の位置を変えたい場合は、事前にお知らせください。大きさや作業条件によっては対応できないこともあるため、当日いきなりではなく相談時に伝えていただくと確実です。
当日はずっと家にいる必要がある?
畳の引き上げ時と納品時には、立ち会いをお願いしています。工房で作業している間まで、必ず家に居続けなければならないわけではありません。
外出予定がある場合は、連絡の取れる電話番号と戻る時間を事前にお知らせください。鍵を預ける必要があるかなど、ご家庭ごとの事情も相談できます。
新畳の場合は、先に採寸を行い、製作後の別日に入れ替えます。表替えとは流れが違うため、見積もり時に日程をご説明します。
雨の日でも畳替えできる?
小雨で、畳を濡らさず安全に運べる条件なら作業できる場合があります。一方、強い雨や風、搬出経路の状況によっては、日程を調整した方がよいこともあります。
天然い草や畳床にとって、余分な水分は好ましくありません。天候だけで一律に決めず、当日の状況と運搬方法を確認してご相談します。
集合住宅・二階の和室で確認したいこと
マンション、アパート、二階以上の和室では、次の情報があると作業計画を立てやすくなります。
- エレベーターの有無と大きさ
- 共用廊下や階段の幅
- 管理規約で作業時間の制限があるか
- 建物前に車を停められるか
- 養生や管理人への連絡が必要か
畳は一枚ずつ運び出します。搬出経路が狭い、階段が急など気になる点があれば、写真を送ってください。
やらなくてよい準備・避けたいこと
- 和室を完全に空にする:大きな家具はそのまま作業できる場合があります。
- 重い家具を一人で持ち上げる:けがや家具の転倒につながるため避けてください。
- 畳を自分で外す:元の位置や向きが決まっているため、そのままで大丈夫です。
- 畳の下へ殺虫剤を大量にまく:状態を確認する前に処理せず、気になる症状をお知らせください。
- 表替えか新畳か自己判断で決める:畳床を確認してから決められます。
相談時に写真を送るなら、この3枚
LINEで相談する場合は、次の3枚があると判断しやすくなります。
- 和室全体:畳の枚数と家具の位置が分かる写真
- 気になる場所:ささくれ、沈み、隙間、汚れなどの近接写真
- 出入口までの経路:大型家具、狭い廊下、階段などがある場合
写真だけで最終見積もりを確定できない場合もありますが、何を片付けるか、訪問確認が必要か、表替えと新畳のどちらが候補かを整理できます。
畳替え前の準備でよくある質問
タンスの中身は全部出した方がよいですか?
家具の大きさや中身の重さによります。衣類だけのタンスなどは、そのまま動かせる場合があります。本、食器、割れ物など重くて壊れやすい物は、事前に出していただくと安全です。写真を見れば、より具体的にご案内できます。
仏壇がある部屋でも畳替えできますか?
対応できる場合があります。ただし、大きさ、重量、設置方法、仏具の状態によって準備が変わります。仏具や壊れやすい物はお客様に移動をお願いし、仏壇本体は事前に写真を確認します。
ペットや小さな子どもがいても大丈夫ですか?
大丈夫ですが、畳の搬出入中は玄関や窓が開き、工具も使います。安全のため、作業する和室とは別の部屋で過ごしていただくか、ご家族に見ていただくと安心です。
畳を預けている間、部屋は使えますか?
畳を外した後は床板の状態になるため、基本的には使用を控えてください。通常の表替えはその日のうちの納品を目安にしますが、条件によって変わります。
佐賀市外でも畳替えを頼めますか?
はい。青畳工房の営業エリアは、佐賀市だけではありません。佐賀県内と福岡県の一部で対応しています。訪問日を調整しますので、お住まいの市町村をお知らせください。
まとめ|動かす前に、写真で確認すると安心です
畳替え前に片付けるのは、壊れ物、貴重品、精密機器、寝具、細かな小物が中心です。大きな家具は、畳を順番に外しながら動かせる場合があるため、無理にご家族だけで運ぶ必要はありません。
青畳工房では、六代目・古賀隆夫本人が畳の状態と家具の状況を確認します。表替えか新畳か決まっていなくても、見積もりだけでも大丈夫です。
佐賀県内・福岡県の一部で、畳替えをご相談いただけます。まずは和室全体の写真1枚と、お住まいの市町村をお知らせください。
フォームから問い合わせることもできます。料金の目安は畳替え価格表、相談から納品までの全体像は畳替えの流れをご覧ください。


