畳の色が茶色くなっても使えるため、「破れるまで交換しなくてもよいのでは」と迷う方は少なくありません。結論からいうと、色が変わっただけなら急いで交換する必要はありません。一方で、ささくれ、隙間、沈み、カビ臭さまで出ている畳を放置すると、掃除のしにくさや転倒、畳床・床板の傷みにつながることがあります。
大切なのは年数だけで決めず、表面・畳床・畳を上げて見える床板を分けて確認することです。創業170余年の青畳工房で六代目を務める一級畳製作技能士が、畳を交換しない場合に起きる変化と、表替えで済む状態・新畳が必要な状態を整理します。
畳を交換しないと起きやすい5つの変化
1.衣服や靴下にい草が付く
畳表が摩耗すると、い草の表皮が割れて細かな繊維が出ます。服に草が付く、靴下に引っ掛かる、掃除しても粉が出る状態は、表面の寿命が近い合図です。小さなお子様が遊ぶ部屋や、布団を敷く寝室では早めに状態を確認した方が安心です。
2.隙間や段差が目立つ
畳は湿度や使用状況によって少しずつ寸法が変わります。畳同士の隙間にごみが入り続ける、畳縁が擦れている、足先が段差に当たる場合は調整が必要です。畳床が使える状態なら、表替えの際に必要な補修と寸法・高さ調整を行います。隙間や段差の大きさだけで新畳と決めず、補修・調整して部屋へ納められるかを確かめます。
3.踏んだ場所が沈む
沈みの原因は畳だけとは限りません。畳床の劣化、床板の傷み、床板のずれなどが考えられます。特定の場所だけ大きく沈む場合は、そのまま家具を置いたり歩き続けたりせず、畳を上げて確認する必要があります。詳しくは畳がフカフカ沈む原因をご覧ください。
4.湿気や臭いを抱え込みやすくなる
畳の上にカーペットを敷いたままにする、家具で空気の流れを塞ぐ、結露が多い状態が続くと、畳表だけでなく畳床や、畳を上げて見える床板に湿気の跡が残ることがあります。カビ臭さや黒ずみがある場合は、表面だけを拭いて終わらせず原因を確認します。
5.表替えで済んだ畳が新畳になることがある
表面が傷んでいても、使える畳床は表替えに生かせます。六代目が畳床の強さ、傷み、湿気、縫い糸と寸法を確認し、補修・調整できるかを判断します。畳床を再利用できない、または補修・調整では納まらない場合は、新畳を提案します。早く替えれば必ず安くなるわけではありませんが、放置によって選択肢が狭くなることはあります。
年数だけでは交換時期を決められません
畳の傷み方は、日当たり、湿度、人数、家具、掃除方法、畳表と畳床の品質で大きく変わります。同じ10年でも、まだ表替えできる畳と、畳床から替えるべき畳があります。
| 見える状態 | 考えられる対応 |
|---|---|
| 色が黄金色になっただけ | 急いで交換せず使用可能 |
| 表面の毛羽立ち・ささくれ | 表替えを検討 |
| 隙間・軽い段差 | 表替え時の補修・調整を確認 |
| 踏むと沈む・畳床が崩れる | 畳床の補修・再利用か新畳か、畳を上げて見える床板の確認 |
| 強いカビ臭・広い黒ずみ | 畳床と畳を上げて見える床板を分けて確認 |
表替え・裏返し・新畳の違い
- 裏返し:現在の畳表を裏返して再利用します。年数、汚れ、傷の位置によってはできません。
- 表替え:畳床を再利用し、表面の畳表と畳縁を交換します。
- 新畳:畳床を含めて一枚すべてを作り直します。
詳しい違いは畳替えとは?表替え・裏返し・新調の選び方、見本選びと現地見積りの流れは見本選び・現地見積りのご案内で確認できます。
急いで確認した方がよいサイン
- 畳を踏むと大きく沈み、足を取られる
- 畳が盛り上がり、扉が開きにくい
- 雨漏りや漏水のあとから畳が湿っている
- カビを拭いても短期間で再発する
- シロアリらしい羽や木くずが見つかった
これらは畳表だけの問題ではない可能性があります。無理に畳を持ち上げたり、薬剤を大量にかけたりせず、状況をお知らせください。写真があれば、最初の相談の参考になります。
畳替えを判断するときに伝えるとよい情報
相談時に、次の情報があると表替えか新畳かを整理しやすくなります。
- お住まいの市町村
- 畳の枚数
- 最後に畳替えをした時期
- 沈み、隙間、臭い、ささくれなど気になる症状
- 和室全体と気になる部分の写真
3分でできる畳の状態確認
- 部屋の入口から畳全体を見て、盛り上がりと隙間を確認します。
- 普段歩くときに沈みを感じる場所があれば、位置を控えます。大きく沈む箇所を、確かめるために無理に踏む必要はありません。
- 畳の目に沿って手を動かし、ささくれや粉が付かないか見ます。
- 家具の脇や窓際で、カビ臭や湿り気がないか確認します。
一か所だけ異常がある場合は、その畳や床板だけが傷んでいることがあります。年数だけで部屋全体の交換を決めず、気になる位置をお知らせください。
写真があれば、全体と気になる部分を
部屋全体、段差が分かる低い角度、傷んだ部分の接写があると判断しやすくなります。沈みは写真に写りにくいため、「入口から2枚目の中央」など位置も添えてください。写真を撮るために畳や重い家具を動かす必要はありません。写真なしでも相談できます。
よくある質問
畳が茶色いだけでも交換が必要ですか?
国産い草が青色から黄金色へ変わるのは自然な変化です。破れ、ささくれ、沈みがなければ、色だけを理由に急いで替える必要はありません。
30年以上の畳でも表替えできますか?
年数だけでは決まりません。古くても畳床がしっかりしていれば表替えできる場合があります。反対に、年数が短くても湿気や漏水で再利用できない傷みがあれば、新畳が必要になることがあります。
家具がある部屋も確認できますか?
家具がある状態でも相談できます。写真が用意できる場合は、家具の種類と配置をお送りください。小物・割れ物・貴重品は事前に片付け、畳替えに必要な範囲の家具移動は当店で行います。特殊な重量物は事前にご相談ください。畳替え当日の家具移動については畳替えでタンスや家具は動かしてもらえる?で説明しています。
交換時期ではなく、今の状態から判断します
青畳工房では、六代目・古賀隆夫本人が畳表、畳床、畳を上げて見える床板の状態を分けて見て、表替えで済むか新畳が必要かをお伝えします。佐賀県内と福岡県の一部地域に対応しています。
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