猫が畳の上で伸びたり、香りを確かめたり、そのまま眠ったりする姿を見て、「猫は畳が好きなのだろうか」と思う方は多いのではないでしょうか。
青畳工房の六代目・古賀隆夫は、畳職人であると同時に5匹の保護猫と暮らす飼い主でもあります。毎日見ていると、畳を好む理由も、畳を傷める行動も猫によって違います。この記事では、実際の暮らしから分かったことと、猫にも畳にも無理をさせない対策をお伝えします。
結論:畳を好む猫は多いが、全ての猫が同じではありません
畳は床の冷たさが直接伝わりにくく、横になったときに適度な感触があります。表面には織り目があり、猫が歩いたり伏せたりするときに体を落ち着けやすい場合があります。
ただし、5匹と暮らしていても、畳の中央で寝る猫、部屋の端を好む猫、ほとんど和室へ入らない猫がいます。「猫は必ず畳が好き」と決めつけず、その子が選ぶ場所と行動を観察することが先です。
猫が畳で見せる4つの行動
体を伸ばして寝る
室温が落ち着いている時期には、畳の上で体を長く伸ばして眠る姿が見られます。夏でも冷房が強すぎない和室を選ぶ猫がいます。いつもの寝場所を急に避けるようになった場合は、畳の湿り、臭い、室温の変化も確認します。
畳の縁や隅を嗅ぐ
新しい畳や、掃除した直後の畳を念入りに嗅ぐことがあります。新しい匂いを確認しているだけなら慌てる必要はありませんが、強い洗剤や芳香剤を使った直後は、十分に換気し、乾くまで猫を入れない方が安心です。
爪をとぐ
爪とぎは猫にとって自然な行動です。叱って完全にやめさせるより、よく爪をとぐ場所の近くへ、安定した爪とぎを置く方が現実的です。床を引っかく猫には横置き型、柱や壁へ伸び上がる猫には縦型が合うことがあります。
い草の先や傷んだ部分をかじる
表面に飛び出したい草は、猫にとって動く細いひものように見えることがあります。ほつれを引っ張って長くしないよう、傷みが小さいうちに確認してください。繰り返しかじる場合は、畳だけの問題と決めつけず、獣医師へ相談することも大切です。
保護猫5匹との暮らしで実感する畳対策
- 寝起きする場所と部屋の出入口に爪とぎを置く
- トイレまでの動線に物を置きすぎない
- 水飲み場は畳の継ぎ目から離し、受け皿を使う
- 毛羽立ちや飛び出した繊維を放置しない
- 敷物を重ねっぱなしにせず、畳の湿気を確認する
大切なのは「猫を畳に合わせる」ことではなく、猫の行動に合わせて部屋を整えることです。畳替えだけで解決しようとすると、同じ場所が再び傷むことがあります。
国産い草と傷に配慮した畳、どちらがよい?
い草の香りと自然な感触を大切にし、猫が畳で強く爪をとがない家庭なら、国産い草も選択肢です。一方、走り回る、同じ場所を繰り返し引っかく、毛羽立った繊維を口にする場合は、傷や摩擦に配慮した畳表を比べる価値があります。
青畳工房では、爪傷への強さを優先する場合にMuKiZu-Tatamiをご案内できます。ただし、どの畳も絶対に傷付かないわけではありません。実物見本の感触と、猫の行動を確認して決めます。
爪とぎ・粗相・誤食をまとめて確認したい方は、猫が畳をボロボロにする前の対策もご覧ください。
よくある質問
猫が畳で寝ても問題ありませんか?
畳が乾いていて、洗剤や薬剤が残っておらず、表面に長いささくれがなければ、普段どおり使えます。猫の体調やアレルギーについては畳店では判断できないため、気になる症状があれば獣医師へご相談ください。
猫がいると、い草畳は選べませんか?
一律に避ける必要はありません。爪とぎ、粗相、吐き戻しの頻度と、日常のお手入れ方法で判断します。猫5匹と暮らす六代目が、良い面だけでなく傷みやすさも含めて説明します。
傷んだ畳を1枚だけ直せますか?
畳床の状態によっては、1枚だけ表替えまたは新調できる場合があります。周囲との色差や寸法の確認が必要です。詳しくは畳を1枚だけ交換するときの注意点をご覧ください。
猫がよくいる場所と、畳の傷みを写真で見せてください
和室全体、傷んだ場所、猫がよく過ごす位置が分かる写真があると、今の畳床を使えるか、どの素材が合いそうかを整理できます。畳替えを急いで決める必要はありません。


