動画や通販の材料を見て、「畳の表替えは自分でできるのでは」と考える方もいます。置くだけの畳表風マットを交換する作業と、部屋に敷き込まれた畳の表替えは別物です。敷き込み畳は部屋ごと、1枚ごとに寸法が異なり、畳表を強く均一に張って仕上げる必要があります。
結論として、一般住宅の敷き込み畳をきれいに長く使える状態へ表替えする作業は、DIY向きではありません。材料費だけで考えると安く見えても、道具、運搬、失敗した材料、納まりの修正まで含めると、かえって費用が増えることがあります。
表替えは畳をひっくり返す作業ではない
表替えは、現在の畳床を残し、古い畳表と畳縁を外して、新しい畳表と畳縁へ張り替える工事です。畳そのものを裏返す作業ではありません。畳表の裏面を再利用する「裏返し」とも違います。
表替え・裏返し・新畳の違いは畳替えとは?表替え・裏返し・新調の選び方で確認できます。
畳の表替えに必要な主な工程
- 畳を部屋から上げ、元の位置と向きを記録する
- 古い畳縁、畳表、糸や留め材を外す
- 畳床の傷み、厚み、ゆがみを確認する
- 部屋の隙間や敷居に合わせて寸法を補正する
- 新しい畳表を選別し、目と色をそろえる
- 畳表へ均一に張力をかけて固定する
- 畳縁をまっすぐ縫い付け、角を仕上げる
- 部屋へ戻し、段差、隙間、向きを調整する
畳表を固定できても、張りが弱ければしわやたるみが出ます。強く張りすぎたり、位置がずれたりすれば、縁や角がきれいに納まりません。
DIYが難しい5つの理由
1. 畳は1枚ずつ寸法が違う
同じ6畳間でも、すべて同じ長方形とは限りません。部屋のゆがみや柱、敷居に合わせて作られ、置く位置と向きも決まっています。入れ替えると隙間や持ち上がりが出ることがあります。
2. 畳表を均一に張る必要がある
畳表は表面をなでて固定するだけではありません。織り目、端の位置、張力を見ながら仕上げます。張り不足は使用中のたるみにつながります。
3. 畳縁と角の仕上げが難しい
縁が蛇行したり、角に厚みが集まったりすると、見た目だけでなく隣の畳との納まりにも影響します。
4. 畳床の補修判断が必要
表面が古いだけなら表替えできますが、畳床が崩れる、濡れている、強く沈む場合は新畳や床下確認が必要です。表面を隠すと原因を見逃します。
5. 重さと作業場所の問題がある
畳は大きく重いため、腰や手を痛めたり、壁・建具・家具を傷付けたりするおそれがあります。作業台と畳を安全に動かせる場所も必要です。
自分でできること
- 畳の目に沿った掃除機がけと乾拭き
- 換気、除湿、家具裏や布団下の湿気確認
- 小物、寝具、割れ物の片付け
- 傷み、シミ、沈み、隙間の写真撮影
- 置き畳の製品表示に沿った入れ替えや位置調整
重い家具や敷き込み畳を無理に持ち上げる必要はありません。家具がある場合は、写真で位置を伝えてください。畳替え前の片付けは家具・荷物・当日の準備で詳しく説明しています。
畳店へ依頼すべき状態
- 畳表が破れ、衣服や足に付く
- 畳が沈む、浮く、敷居との段差がある
- 隙間が広い、畳が動く
- カビ、雨漏り、浸水、強い臭いがある
- 薄い畳、床暖房用畳、縁なし畳である
- 表替えか新畳か判断できない
畳床が使えるかどうかで費用は大きく変わります。新畳を前提にせず、先に表替えで済む状態か確認します。
費用を抑えるなら、DIYより見積りの条件をそろえる
価格だけを比べる前に、畳表の産地と等級、畳縁、古い畳の処分、家具移動、隙間補正、税込かどうかを確認します。条件が違う見積りは、総額だけでは比較できません。
青畳工房の一般的な価格は畳替え価格表、比較項目は畳替え見積りで確認する8項目をご覧ください。
よくある質問
畳表だけ通販で買えば張り替えられますか?
材料だけでは、張る道具、畳床の補修、寸法調整、畳縁の仕上げができません。敷き込み畳の表替えは、材料購入だけで完結する作業ではありません。
畳を外して掃除してもよいですか?
元の位置と向きが決まっているため、知識がない状態で一度に外すのはおすすめしません。重さによるけがや、戻らなくなるおそれもあります。
1枚だけなら自分でできますか?
枚数が少なくても工程は同じです。周囲の畳との高さ、色、隙間まで合わせる必要があります。
表替えで済むか、写真から先に確認できます
和室全体、傷んだ場所、畳と敷居の境目を撮ってお送りください。六代目が畳床を再利用できそうか整理し、必要な工事だけをご案内します。

